風邪を克服する

 Dr.Yは大病しない代わりに、毎年、酷い風邪を引いていました。インフルエンザではなく(勿論、fluもひきます)、普通に体内に常在しているライノウイルス、アデノウィルスによるものです。一度引くと、2週間は寝っぱなしになります。予後も悪く、2月くらい体調が極端に悪い状態になります。

 勿論、様々な手当をしてきました。医者はこういう個体依存の、しかも、死に至らない病には無力です。自分で原因をつきとめ、対処するより他はありません。しかも、年に1,2度しか実験のチャンスはありません。時間がかかります。予後の体調の悪さには小柴胡湯が良いと言われていましたので、これを試みましたが無駄でした。

 そもそも、なぜ「必ず」ひくのかが不明です。多少の偏食はあるので、米国に出張するたびにマルチビタミン・ミネラル錠を買ってきて念のため服用していました。当時、マルチビタミン剤は国産でもありましたが、ミネラルまでも含むものはなかったと思います。有っても、異常に高い価格でした。米国で買えば、300錠で$9.99です。栄養的には、ミネラル不足くらいしか疑うものはありません。が、効きません。

 元々、鼻粘膜が弱いので、寒く、乾燥した空気になった時に、免疫力を弱化させ(体温が下がると免疫力は極端に落ちます)常在ウィルスにやられるのかと思いましたが、対処方を思いつきません。ある時、ふと、まさかと思いながらも葛根湯を試してみました。これが効いたのです。それ以来、十年以上、一度も重い風邪にやられたことはありません。

 

  葛根湯には麻黄とか甘草などの副作用をもつ成分が入っています。注意書を良く読み、禁忌の病気をもつ人や高齢者は注意する必要があります

 

麻黄はエフェドラ。葛根湯には麻黄が入っているので、当然、エフェドリンが入っています。

使用上の注意

慎重投与

甲状腺機能亢進症の患者[甲状腺機能亢進症が悪化するおそれがある。]

高血圧症の患者[本剤には血圧上昇作用がある。]

心疾患のある患者[本剤には心刺激作用がある。]

糖尿病の患者[血糖が上昇するおそれがある。]

緑内障の患者[眼圧が上昇するおそれがある。]

前立腺肥大症の患者[排尿障害が悪化するおそれがある。]

医療用医薬品 : エフェドリン塩酸塩

 

 葛根湯は万能薬なのです。ということは、何にも効かないという考え方もできます。江戸時代には藪医者の事を「葛根湯医者」と言ったということです。どこが悪くても、葛根湯を処方したからです。ところが、これは正解なのです。葛根湯は免疫賦活剤として機能するのです。ですから、万能薬なのです。但し、そんなに強い効果があるわけではないので、完全に風邪になってしまってからでは、あまり効果はありません。ゾクっと来たら、即、服用です。それで、Dr.のカバンの中には年中、葛根湯が入れてあります。それでも、切れた時が不安なので、職場の机の上にも置いたままです。

 クラシエの錠剤のものを使っています。何しろ、価格がreasonableだからです。

なお、風邪やfluはウィルスによるものです。つまり、抗生剤は効きません。基本的には自分の免疫に頼るか、抗体を作るためにワクチンを予め注射しておく以外に手がありません。最近は、ウィルスの増殖を抑制するタミフルリレンザのような、なんと抗ウィルス剤ができていますが(うまい抑制機序を発明したものです。細胞内に侵入したウィルスの行動を抑制するのは困難ですが、細胞の出口で待ち構えて、出られなくする!!頭が良い研究者がいたものです。セレンディピティかもしれませんが、それを見逃さなかったという所が凄いのです)、風邪の患者が山のように集まっている病院にいかないといけないので、却って風邪にかかるという危険を冒さなければならないという矛盾を抱えています。

 http://www6.ocn.ne.jp/~matsukc/tiebukuro/wadai/tamifurutaisei.html

 医者にいくと、抗生剤やら、解熱剤やら山のように、どうでも良い薬を大量に処方され散財するばかりでなく、医療保険システムを破壊する片棒を担がされます。一度、医者に、どうしてウィルスに効きもしない抗生剤を処方するのかと聞いた事があります。二次感染を予防するためとのことです。それは確かに、ウィルスで痛んでいる免疫機構の隙をついて、今度は細菌が忍び込んでくる可能性はありますけど・・・。釈然とはしません。

 というわけで、どうも、免疫が弱い体質、鼻・咽喉が弱い人は、葛根湯をゾクッと来た瞬間に飲み始める(1週間程度)ことを試す価値があると思います。通販ならかなりディスカウントされています。

 

参考
ライノウイルスは、鼻、のどといった上気道の炎症をおこします。ライノウイルスは33度でしか増殖しないとされ、そのため通常ライノウイルスによる炎症は上気道に限局されます。潜伏期は短く1-3日です

 

頭痛・のどの痛み、鼻詰まり、くしゃみが起こります。水のような鼻水が出始めますが、次第にそれは濃いねばっこい黄色あるいは緑色のものへと変化し、量も少なくなります。

 

通常、発熱はありません。軽い咳が少し遅れて出始め2週間近く続くこともあります。

 

通常、1-2週間以内に軽快します。獲得される免疫は、感染したライノウイルスの血清型に特異的なもので、他のライノウイルスの血清型による感染防止にはあまり役立ちません。ライノウイルスの血清型は百以上、おそらく数百種類あるだろうとされています。そのため、ライノウイルスによるカゼをすべて防ぐためのワクチンを作ることは絶望的です。

www.city.yokohama.lg.jp

 

 

 

次亜塩素酸HCLOが見えています。↓

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図1.好中球が細菌を退治する仕組み

好中球は細菌を見つけると、自分の中に取り込む。取り込まれた細菌は、好中球がつくり出した活性酸素によって殺菌される。水素イオンチャネルは水素イオンを細胞の外に運び、活性酸素の生成を促す。

 

「温度があがると、タンパク質のペアが離れ、たくさんの水素イオンが流れます。つまり、活性酸素をたくさんつくれるということです。一方、温度がさがると、再び元通り2本のらせんが絡み合い、ペアとなって水素イオンの流れる量が少なくなったのです」と藤原さんが続けます。

 

「実は、2本のらせんがほどき始める温度は体温と同じ37°Cでした。さらに、完全にほどけるのが、約40°Cでした。そのデータが出たとき、体温と関係しているのではないかと気がついたんです」と藤原さん。
 こうして、水素イオンチャネルの生体でのはたらきが浮かびあがってきました。細菌に感染して発熱すると、好中球では水素イオンチャネルタンパク質のペアが離れ、水素イオンが大量に流れます。すると活性酸素がたくさん生成して、細菌を殺します(表紙)。でも、活性酸素は細胞自身にとっても毒性が強いので、ふだんはタンパク質がペアになり、水素イオンの流れを抑えて、活性酸素ができないようにしています。「水素イオンチャネルは細胞の中の温度計のようですね。ペアでいることは、自身の細胞を活性酸素から守る意味があるのだと思います」と藤原さんは話します。

 

」下記サイトから引用 "SPring-8 News"の2013年

www.spring8.or.jp

 

体温がが上がると免役が上がるメカニズムですね。

 

 

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