10個1万2千円のシュークリーム?

 2013.11.9読売朝刊の「編集手帳」に面白い記事が載っています。

 「よく『一萬円のを二千円で買ったの』と言うが、あれは二千円なのだ。それを一萬円で売ってただけのことなのです」

これに続いてタイトルの話題が出てきます:

 「『楽天市場』の優勝セールで・・・10個入りのシュークリームを通常価格1万2000円と偽り、星野仙一監督の背番号にちなむ”77%引き”2600円で販売する業者もいたという」

 

楽天日本一セール77 %OFFで、普段12,000 円の商品が2,600円となっていたものの、実はセールでも何でもなく普段から2,600円で売られているという問題が発覚

     ・・・

この件について製造元の「茶游堂」は販売元である「産直食卓」に調査を行うと発表。もし、販売元とされている「産直食卓」が低下を偽り77%で2600円としたとすれば、大変な問題だ。」

 --http://www.yukawanet.com/archives/4566770.html

  (赤字・フォントの大きさはDr.の編集による)

楽天市場、Yahooのこの販売店のサイトは現在閉鎖されています。

「申し訳ございません。ただいま、店舗の改装中です。しばらくお待ち下さい。 ご注文内容等に関するお問い合わせは、下記のところまでお願いします。

お取り寄せグルメ産直食卓 太田 孝

e-mail:sanchokutable@shop.rakuten.co.jp 

TEL:0123-53-2800」

 

しかし、下記ジオシティは開店したままです。

http://shopping.geocities.jp/yubari-meisan/

尤も、このサイトの品物を見ようとするとYahooのサイトにリダイレクトされて「閉鎖中」となるので販売自体はしていないと思われます。

 それにしても、この手口、新しいものではなく、日常的に行われていると考えられます。宝石の場合、額が大きいだけに悪質でしょう。以前の話題です:

 http://dr-yokohamaner.hatenablog.com/entry/2012/12/19/213726

  どんな商品にも原価*1というものがあります。原価を知らなくても相場程度は分かるでしょう。1個1200円のシュークリームなんて何で作ったらそうなるんでしょうね。賢く生きるにはその程度の知恵は持たないといけませんね。例えば、現在では株式会社は1円の資本金で作る事ができますから、ケチのついた「お取り寄せグルメ産直食卓」はさっさと潰して、新しい名前の会社を作り、同じ商売をすることは容易にできます。そのような会社を見極めるにはどうするか?などです。

 

 原価:大抵の品物の製造業から卸への工場出荷価格は、定価(メーカ希望小売価格)の3割前後でしょう。メーカ→大卸→仲卸→小売 程度の流通ですと、小売は定価の4割前後の利益を取ります。この程度の事を知っているだけで、定価をしらなくても適正価格を推定することができます。ビックカメラが何年か前、「3割、4割、当たり前。(5割引きするだったかな)」というコマーシャルをしていましたが、大規模小売は、大卸を兼ねていますから、定価の3割以下の価格でメーカから購入しているはずで、定価の5割引きでも、まだ2割以上の利益がでるのです。

 貿易の自由化がされる前はバーバリーのトレンチコートは40万円くらいしていました。あの時代では給与の2か月分くらいだったかと思います。ロンドンで買えば7万円程度のものですが、正規輸入代理店から始まって小売まで、4,5件の国内流通経路を通っている間に、こういう値段になってしまっていたのですね。

 あの頃は、ジョニ黒、シーバス・リーガル、バランタインなどの12年ものスコッチは国内では10、000円以上の値が(これは流通だけでなく、関税の問題でもあります)付いていて、海外出張する旅に、ヒースローとか、JFKの空港免税店で2、000円で土産として買ってきたものです。

 最近は、こういう商売は少なくなっていますが、宝石に関しては残っていますね。10万円の輸入元価格が140万円の小売価格んどということも普通にあります。

  http://dr-yokohamaner.hatenablog.com/entry/2013/03/02/212519

*1:原価