注意力不足とむずむず脚と冷え症と

 以前、むずむず脚症候群(RLS:下肢静止不能症候群)について書きました。

   http://dr-yokohamaner.hatenablog.com/entry/2012/12/26/105856

ところで、ADHDという病気があります。注意欠陥・多動性症候群です。10年位前までは、単に、いい加減な性格、だらしない性格、などと性格の問題として扱われていました。現在では、脳のちょっとした欠陥だと分かってきています。脳内のドーパミン不足なのだそうですドーパミン神経伝達物質です。シナプスまで神経内を電気で伝わってきた情報を電気に変わって伝達する物質です。シナプス間は繋がっていないので電気が伝わらないからです。

 その分泌量の調整は、分泌された一部が分泌部についているレセプタに捕らわれることで行われます。神経は自分で出したドーパミンを自分で捕まえて分泌している全体量を把握しているのです。ところで、この捕らわれるドーパミンの量が多すぎると、十分に分泌していると勘違いして分泌量を絞るだけでなく、肝心の向こう岸のシナプスに辿り着くドーパミンも減ってしまいます。これがADHDの原因なのだそうです。ということは、むずむず脚の原因と同じということなのです

 むずむず脚の人で、どうも注意力、集中力が足りない、一つの事をやっている間に、別の事が頭にのぼると衝動的に今やっていることをほったらかして、そっちに行ってしまうという人はADHDを疑ってみると問題が解決するかも知れません。治るかどうかは別として、注意力不足の原因がわかって対処法を講じることができます。

 ところで三題話しのもう一つ、冷え症ですが、ムズムズ脚症候群の一つとして脚の冷えがあります。ふくらはぎに氷柱を入れたようだと表現されます。冷え症は往々として血行の悪さが原因とされますが、ビタミンEや、EPADHAなど血行改善サプリメントをいくら飲んでもむずむず脚症候群を原因とする場合、全く効果はありません。

  但し、このことはDr.の推論にすぎません。医師に相談する人は注意が必要です。医師がすべてDr.-Xのように、趣味:手術、特技:手術というように医学にのめり込んでいるわけでもなく、単なる職業としてやっているだけの場合もあり、勉強不足でむずむず脚症候群さえ知らない医師は多いのです。知っていても臨床の経験が浅く、従って知識も浅く、苦手としている場合、けんもほろろの扱いを受けるかも知れません。