オイルヒータの長所・短所

短所

・発熱量のわりに電気代がものすごく高い

 1000Wとか1500Wという事は、同じ発熱方式のものを体験すればわかります。どの家にもトースタやドライヤーがありますね。これと発熱方式は同じで、電気を抵抗の高い電線に通じて電気エネルギー→熱エネルギー変換しているのです。電気で熱を得る最も原始的で効率の悪い方法です

トースタもドライヤーも大体1000W内外なので、たとえば、10畳のリビングの片隅において、どの位温まるか調べればよいでしょう。ただし、機器には定格というものがあります。連続最大使用時間というものがありますので、トースタではタイマーの最大時間以上を連続して使うと加熱して火災の原因になりますので、発熱の具合を見る程度にしましょう。電気代は半日使って300-400円くらいでしょう。

オイルヒータはヒータで出てきた熱でオイルを温めて熱しにくく冷めにくいようにしただけで、発熱という一点に関してはトースタの蓋を開けていることと変わりません。

10畳を有効に温めようとしたら、同じ1000Wならエアコンの方が強力です。電気エネルギーがそのまま熱エネルギーに変わるのではありません。電気でコンプレッサーを回して、熱力学的に外の熱を室内に導くヒートポンプと呼ばれる方式だからです。電気はコンプレッサのモータを回すエネルギーとして使われるだけです。しかし、外に熱が十分にない外気温10度C以下になると家庭用の1000W程度のエアコンでは部屋を暖めるには全然力不足です。

ファンヒータのように化石燃料を化学的に熱エネルギーに変える方式が最も経済的でしょう。

・重くて大きくて、発熱効率が悪いわりに価格が高い

 説明の必要はないでしょう。

長所

・空気が汚れない。

電気ヒータ系は電気エネルギーを熱エネルギーに変換するときに、何も排出しないので空気は汚れません。これは、エアコンも同様です。

石油ファンヒータや石油ストーブなどで、化石燃料を燃やすということは、炭化水素から二酸化炭素と水を生成するという化学過程ですので、空気が二酸化炭素で汚れます。場合によっては一酸化炭素が出て中毒の原因になります。

また、水=水蒸気が出ますので乾燥しにくい方式でもあります。ただし、大量の熱を放出して部屋を暖めますので、燃焼で放出する水蒸気程度では相対湿度は下がります。

湿度とは通常、相対湿度のことで、空気中に含まれている水蒸気の量そのものではありません。エアコンやオイルヒータのような水蒸気を出さない場合より、石油ファンヒータや石油ストーブでは、室内の水蒸気量は多くなりますが、室温が高くなる分、相対湿度下がります。相対湿度とは、その温度で含むことができる最大水蒸気量に対して実際に含まれる水蒸気の割合を%で表示したものです。簡単に言えば、冷水には食塩はあまり溶けませんが、熱湯には良く溶けます。同じ食塩量でも、熱湯の場合、「溶けている食塩量/溶ける事のできる食塩量」は冷水の場合より小さくなります。相対湿度はそのような考えから計算されるものです。

オイルヒータは水分をまったく出さないので室温が上がればその分、湿度が下がります=乾燥します。もし、乾燥を感じないのなら、それは部屋が全然温まっていないという事なのですね。石油ファンヒータと同じくらいに温まるなら、オイルヒータの方が水蒸気を出さない分だけ乾燥します。

・静か

 石油ファンヒータは就寝時には、ファンの音が気になるでしょうが、そういう音はしません。トースタが出す程度の音はだすでしょう。

・安全

石油燃焼系の暖房器具は就寝時に使うには不安があります。なにしろ、燃焼しているのですから。オイルヒータは高熱を発しないのでトースタよりも安心できます。