群馬大病院、腹腔鏡での肝切除で8人死亡

「倫理委員会を通さずに保険適用できない手術を実施
群馬大病院、腹腔鏡での肝切除で8人死亡
切除後残存肝容量の評価が適切だったかを調査へ」
2014/11/14
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201411/539466.html

 困ったものです。この医師、未必の故意殺人罪で起訴されるべきでしょう。

昨日の東工大教授の横領に関するブログを見てください。インテリの倫理なんてこんなものなのです。そもそも、群馬大学も8人も殺してからやっと騒ぎ出したのですが、同一医師が3人も短期間に殺してしまったら、その時点で、おかしいとわかっているはずです。それなのに、更に5人殺すまで手をこまねいて、見て見ぬふりをしていたのでしょう

 徳洲会湘南鎌倉総合病院で、メロンのように肥大してしまった心臓を削る日本初のバチスタ手術で最初の手術は失敗、その後、2回目の手術をするかどうかで医師も病院も苦悩する姿がNHKプロジェクトXで十数年前、放映されましたが、同じ手術で複数の患者を殺すことは極めて重い事故なのです。

 医学部長は更迭、この40代の助教医師の属する医局の教授は辞表を出すべきでしょう。

 報道によると;

 ・患者への説明(インフォームドコンセント)を十分に行っていない

 ・日本外科学会(京都で開催)で「おおむね良好」と発表:この時点で既に7人が死亡

 ・倫理委員会を通さずに保険適用できない手術を実施

 ・保険適用できない手術を適用できるとして保険請求した詐欺の疑い

と、犯罪の悪臭がプンプンとしてきます

 40代で助教では、彼は焦っていたことでしょう。助教は聞き慣れない言葉かと思いますが、かつての講座制では助手と呼ばれていました。大学設置基準によると、助手は学生に対して講義ができません。そこで、改訂して、講義ができるようにし、名称も改めて助教としたのです。大学のかつての講座は、助手→講師→助教授→教授となっていました。この下に、更に無給の非正規雇用(雇用?)の存在もあるようです。

 大学の発表では、この助教内視鏡下(の肝臓?)手術ではトップであると言っているようです。トップでも、助教??と思われるでしょうが、昨日のブログに書きましたが、大学での昇進は論文数で決まります。40代になっても助教では、論文数が欲しかったのではないでしょうか。臨床では、術数を稼いでそれを論文にすることが最も簡単な方法ですから。

 今、まさに放映されている「DoctorX」のナレーションを地で行く事件です。

「2014年、白い巨塔の崩壊はとどまることを知らず、命のやりとりをする医療は本来あるべき姿を完全に見失っていた。」 --DoctorX より

白い巨塔」も医学部の問題を抉った名作です。

こんな事件もありました。

慈恵医大青戸病院事件 - Wikipedia

2002年11月8日東京慈恵会医科大学附属青戸病院の医師3人が、前立腺癌の患者に対し、内視鏡を用いて摘出する腹腔鏡下手術を行った。・・・医師3人は腹腔鏡手術がうまくいかずに大量の術中出血を起こし、それでもより確実な開腹手術をせずに腹腔鏡下手術を続行し、開始からほぼ12時間後により確実な手法の開腹手術にようやく切り替えた。手術終了後に男性患者は大量出血による脳死状態になり、約1カ月後の12月8日に死亡した。

東京女子医大事件 - Wikipedia

「2001年3月2日、東京女子医大にて患者(当時12歳)の心臓手術中に人工心肺装置の事故が起こり、患者は2日後の3月4日に死亡。
その後で術中大静脈から人工心肺に血液がうまく抜き取れない異常が発生し、脱血不良で患者に脳障害が生じたとする告発文書が遺族に届いたため、遺族が病院に調査を申し出た。」

 ~東京女子医大病院 医療事故の深層~ - NHK クローズアップ現代 2014

「今年2月、東京女子医大病院で、首の腫瘍を手術した2歳の男児が、プロポフォールという禁忌薬を投与されたあと亡くなった。関係者の取材などから見えてきたのは、体調が急変しやすい小児を治療する十分な体制が整っていなかった実態だ。集中治療を行う専門医は不足、医師や薬剤師の連携も不十分、その結果、数々の異変の兆候が見逃され続けたのだ。」 

 この事件は酷く、マスコミ発表をしようとしない理事長に業を煮やした医学部長、学長が大学として発表したところ、くだんのいい加減な理事長がこの二人を馘首してしまったという事件に発展しています。まさに、「白い巨塔」事件です。