パラグライダーが送電線に引っ掛かり宙吊り;感電しないの?

 迷惑なことです。何しろ送電線の電気を止めての救出ですので、普通なら大規模停電です。今では電力網もインターネットみたいにこちらから送電できなければ、あちらから送るというような事ができるので、事実上、日本では停電は起きなくなっています。勿論、東北の地震で起きたように、あちらもこちらも全部だめの時は停電します。こちらの経路が切れた場合、今では一瞬であちらからの経路に切り換えて送電しますので、人間には感知できません。瞬間の停電なので瞬停と言っています。電気機器は一瞬でも切れると検知するので、エアコンのLEDが点滅したり、我が家では安物のデジタル写真フレームが勝手にスイッチオンになってBGMを流し始めるのでそれと分かります(何という作りなんでしょう)。

 今回の事故も送電を止めたと報道しても、停電が起きたとは報道していないので、その措置をしてから送電を止めたのでしょう。

 ところで、送電線に引っ掛かっても感電しないのでしょうか。今回は幸いにして避雷線という電気の流れていない線に引っ掛かったので大丈夫とのことでした。電線に雀が列をなしてとまっていても感電しませんね。雀にかかる電圧は両足の間の電圧です。たとえ60万ボルトの送電線でも、その電圧は電線の両端にかかる電圧であって、両足の間の電圧ではありません。電線は送電途中での電力の損失を少なくするために電気抵抗が大変小さいものになっています。雀の両足の間の電圧などは無視できるほど小さなものなのです。そういえば、昔、ご近所から停電したので見て欲しいと頼まれて見た所、なんと果物フォークがコンセントに刺さってショートしていました。ブレーカが落ちるはずです。それを刺した幼児はなんともありませんでした。