ワインの価格

 忘年会でシャトー・ラフィット・ロトシルト1992年を飲みました。何と表現したらよいのか、透明な味、雑味のまったくない味。とにかく、透明、クリヤー、澄明、そんな言葉しか頭に浮かびません。

 ところで、ワインの価格ってどのように決まるのでしょう。ラフィット1992年は店によって10万円前後~20万円前後の価格になっています。なぜ、こんなに違いができるのか?生産してから22年もたっていますと、どんな経路で店頭に出ているのかわかりません。その経路によるのでしょう。特に、デパートは高目の価格になっていますが、多分、リスクを入れているからではないかと思います。瓶を開けてみたら、酢になっていたということになれば、そしてそれを証明できれば、デパートは信用に掛けて返品を認めるのではないでしょうか。オークションでは返品は無理で、酢でも飲むよりしかたないでしょう。

  ついでながら、高級レストランでワインの利き酒をして「ダメ」をだして別のものに交換してもらえるということはかなり知られていると思いますが、当然ながら、自分の趣味、好悪では交換できません。そんな事をしたらソムリエに桜井翔風に「ナッツお嬢様、お嬢様の舌は牛タンでしょうか」と言われそうです。カビ臭がするとか、酢や水になっているとか明らかな事故があってのことです。

大韓航空ナッツ回航事件 - Wikipedia

 なお、ラフィットの2013年物は41,000円との発表がありました。

 ワインの味の違いなどは、素人の舌では、微々たるものにすぎません。1000円のワインと200,000万円のワインとで、200倍の味の違いがあるかと言えば、どう考えても無い気がします。1000円のワインは多少飲み難さがあり、味が薄っぺらく、香もたたない等々の問題がありますが、200倍??しかし、その違いを出すには200倍の努力が必要であるという事なのです

 80点を取るための勉強と、100点を取るための勉強は20%の違いではないでしょう。80点はそこそこで取れますが、完璧、満点というのは膨大な努力を必要とします。それでも99点に終わるかも知れません。こういえば、誰でも理解できるのではないでしょうか。トヨタは80点主義と言われたことがあります。満点の車を作ろうとすれば、この理由で、原価が幾らになるかわかりません。そこそこにしておけば、そこそこの価格で作れるということです。これが、ボルドーの一級のワインと、1000円のテーブルワインの違いなのでしょう。味の違いというより、注いだ努力の違いなのです。それを買うかどうか。それは消費者次第でしょう。

 ワインは10月頃葡萄を取り入れて、1年か1年半、樽熟成してから瓶に詰めて売り出されます。ウィスキーと違い、ワインは瓶中でも熟成するのです。今、我々が手に入れることのできる最新のワインは2011年ものです。飲み頃になるのは10年後でしょう。シャトー・ムートン・ロトシルトなどは、確か、我がシャトーの味になるには20年の熟成が必要だと言っていたと思います。

 一方で、ボジョレ・ヌーボは、熟成させません。ヌーボとは英語ではニューです。ボジョレの新酒という意味ですから、9月か10月に葡萄を収穫し、11月には売り出すということです。ボルドーの赤ワインは「カベルネ・ソービニョン」種の葡萄を使います。これは世界中に移植され使われている典型的銘酒を作る品種です。ボジョレはガメ種という多産種を使っています。しかも、熟成させていない新酒。つまりは、安酒なのです。それが、日本に来ると2000、3000円もします!!精々、500円くらいのものでしょう。しかも、11月第三金曜になるとお祭り騒ぎでした。最近はこんなばか騒ぎは無くなったようで良いことです。