インフレとデフレ

 これらを正確に知っている人は少ないのではないでしょうか。Yahoo辞書を引いたところ、インフレ:インフレーションの略、デフレの逆のような説明というか何なんでしょう。意味不明です。

 で、困った時のwikiでは、こうなっています。

 インフレーション:通貨膨張

 デフレーション :通貨収縮

通貨膨張/収縮もわかりません。通貨量膨張/収縮でしょう。

 お金は今では金:goldへの兌換性はないので、等価の金塊を日銀の地下倉庫に準備しなくても、ジャンジャン印刷できます。1万円札の原料を見れば1万円の価値はないことは容易に分かります。政府の信認の上で流通しているのですが、政府の信用がなくなればパニックが起きます。

 現在、ロシアではロシア人が暴落するロシア・ルーブルを信用しなくなって銀行で外貨に換えていたのですが、銀行はこの交換を今中止しています。それで、高価なモノである家具を買いにイケアに殺到したのでイケアも店を一時的ですが閉めてしまいました。次は車に殺到して、どうなったでしょうか。確か、店を閉めたのではないかと思います。

 大雑把に分かりやすく書けば:

 インフレ:(金余りで)物価が上がる → 企業に入る売り上げが上がる → 給料が上がる → 企業は昇給のための資金が必要になる → 物価が上がる → ・・・

 デフレ:物価が下がる → 企業は利益が低下する → 給料が下がる → 物価が下がる(国民の購買力が低下し安物しか売れない) → 企業の利益が低下する →給料が下がる → ・・・給料を0にする。つまり首にする

 実際には給料が0になる前にリストラされるか、企業が倒産します。

 膨張と収縮の大きな違いは、膨張は無限に大きくなることができても、収縮は0で止まってしまうことです。

 ですから、 デフレ:収縮は国民の収入が0になった所で止まります。つまり、国民全員が失業し、国家や経済が死ぬということですね。これがデフレの怖さです。物価が安くなったと喜んでいるとそのうち、自分が首になるということです。

  政府が脱デフレにやっきになっているのはこういう理由です。

 

 余談ですが、インフレ:膨張は1兆倍のようなことが起きます。1年前1円で買えたものが、今年は1兆円するということです。でも、まあ、死にはしません。賃金も物価もどんどん上がって行くのですから、賃金と物価の上がる時期と倍率がそれほど違わなければ、実質は一見同じことです。

 しかしながら、貯金は0同様になります。これまでに貯めた1兆円の貯金を降ろしても昨年の1円の物しか買えないという事ですから、資産家は困るでしょう。しかし、住宅ローンも0同様になります。5000万円のローンが残っていても、今年の給料は30万(去年)x1兆円になっているので、5000万円のローンなどは一括キャッシュで返せます。

レンテンマルク - Wikipedia

「1914年7月に1米ドル=4.2金マルクだった為替レートは、・・・インフレの進行で1923年1月に1ドル=7,525マルクとなり、・・・同年7月に1ドル=16万マルク、8月に462万455マルク、9月に9,886万マルク、10月に252億6,028万マルク、11月には4兆2,000億マルクにまで暴落してしまった」

 最近の事件では:
1980年 0.68ジンバブエ・ドル = 1.00米ドル。
2008年5月 1米ドル=2億5600万ジンバブエ・ドル