京大教授の 研究費不正から年収1000万円超のサラリーマンの生活を検証

 東大、東工大に続いて、今度は京大です。


京大 研究費不正で「懲戒解雇が相当」 NHKニュース

 たったの430万円を詐取したために恐らく3000万円を越える退職金が無くなり、名誉もなくすという、信じがたい馬鹿なことをなぜ京大教授ともあろうインテリがやってしまうのでしょうか。

 答えは単純で生活が豊かではないからでしょう。超大企業の部長級(電力会社、銀行、商社などのサービス産業は他の業種に比して異常に高いので除きます)、大学教授級あたりの年収は1000万円を越えた所にあると思われます。千数百万円とでも言いましょうか。25%程度の源泉徴収を受けて手取りは1000万円内外になります。それだけあれば豊かな生活ができると思うかもしれませんが、そうでもないのです。なぜ?

大学教員の収入

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 部長や教授は40代後半になるのが普通でしょう。旧帝大では30代で教授になることも珍しくないでしょうが、平均的な話です。となると、家のローンを抱えています。このクラスの人々は2LDKなどには入りません。郊外の一戸建て50坪の敷地に4LDK、6000万円程度としましょう。4000万円のローンを25年程度で組めば、年間200万円くらいの返済があるのではないでしょうか。あるいは、都心から少し外れた駅近くの4LDKマンションでしょう。高校生、大学生の子供2人には年間300万程度の教育費がかかるでしょう。奥さんは言うまでもなく、趣味で働いているのでなければ専業主婦です。そこそこお金のかかる高尚な趣味を持っていることでしょう。食生活は、1汁4、5菜。時々、中トロのマグロの刺身、黒毛和牛の焼肉、旬の松茸、毛ガニが混じるというようなレベルでしょう。



疲弊する年収600万円家庭の実像――妻が年収1000万円のママ友仲間に感化され…

妻の憧れだった二子玉川に引っ越したのですが、“住む”と“暮らす”とでは全然違ったんです」
    ・・・
「妻が二子玉で仲良くしているママ友の家庭は、旦那が外資系金融や大手企業勤務で、年収は1000万円超。そのため、飛び交う会話が我が家にはセレブすぎるんです。子供の教育に関することが多く、あそこの英会話がいいとか、豊かな感受性を養うにはこの時期しかないとか、昼間にママ友同士で情報交換しているみたいで」
   ・・・
「4歳になる息子には、ほかの子たちと同じように、英会話、スイミング、サッカー、ピアノ、打楽器を使った感情表現の教室などに通わせていて、月のお稽古代は12万円かかっています。さらに今年の夏は、ママ友に誘われて1日1万5000円もするアメリカンスクールのサマースクールに、7日間も通わせました」

http://nikkan-spa.jp/712208

上記の状態をセレブとみるか、修辞表現にすぎないとみるかですが、下記の方が実態にあっているでしょう。

36. 名前:名無しさん。 投稿日:March 24, 2013 12:32 id:nOCg8mC60
都内で一千万だとせいぜい普段の生活は質素にして
母ちゃんの化粧品はドラッグストア、父ちゃんの車は国産ワゴンで
子供2人を私立に行かしてやれるレベルじゃないかなー

38. 名前:名無しさん。 投稿日:March 24, 2013 15:19 ID:B.s2EIhQ0
教育だけは金かけていいみたいな倹約家だったから、兄弟そろって中高一貫と私大医学部だったけど、大学の奨学金もらいに行こうと申請しにいったら所得制限で突っぱねられてそこで初めて親の稼ぎ知ったわ。
海外旅行も一回しか言ったことないし、親が車好きなのに車はやっすいホンダを15年くらい使ってる。クレカなんか使わないし。

41. 名前:名無しさん。 投稿日:March 25, 2013 04:50 id:tGOZwAVR0
都内に持ち家(マンション)購入し、自分が幼稚園からずっと私立だったから残ってるお金はそんなにない。
普通のサラリーマンだし、旅行も外食も嫌いだから、贅沢っぽいことはしたことない。
老後も自宅で細々やってく感じだよ。地方だともっと貯金できただろうな。
」-- http://fesoku.net/archives/6393802.html

 

 ということで、生活のすべてが一ランク上になりますので、支出もそれなりに多くなり、余裕があるわけではありません。まして、貯金である現金、普通預金、定期預金、債券、株などの金融資産などはそれほど多くありません

2:6:2の法則と日本の家庭 - dr-yokohamanerのブログ

 上のブログでいう、アッパーマスに入っていれば上々というレベルでしょう。多くは、マスの中位~上位クラスにいるのではないでしょうか。子供二人を私大医学部にやったら、親には退職金しか残りません。

 先日、TVで戦力外通告を受けた野球選手の生活を放映していました。彼らは20代後半で、1000万円レベルの生活をしていましたが、まさに上で描写した生活レベルでした。家も食事もです。問題は、いきなり、明日から来なくて良いというクビ宣告をその若さで受けてしまうことです。貯金がありません。彼らは契約金を10億以上はもらっておかないと、30歳で無職になる可能性を考えれば、生涯の生活レベルではエリートサラリーマンに太刀打ちできません。

 大学教授も大企業の部長も同じようなもので、小遣いには、彼らなりに不自由しているのでしょう。そうでない人は才覚で稼いでいる人です。本を書いて印税で稼ぐ、投資で稼ぐなど。そんな人は数えるほどしかいないでしょう。日本は世界標準からみれば驚くほどに格差の少ない社会なのです。

 そんなわけで、目の前に数百万の現金があると、そしてそれが簡単に手に入りそうであると、後先顧みずにやってしまう人も出るのです。金融資産が十分にあれば、金が金を産みますので*、そんなことはしなくて済むはずなのですが。

 そういえば、警官の不祥事も後を絶ちません。50歳代で、あと5,6年我慢すれば数千万円の退職金が待っているというのに、それをフイにしてまで高々百万円の汚れた金に手を出すのです。警察官というのは、キャリアではない巡査からの叩き上げでも、50歳にもなれば大企業の課長級程度の収入があるのですよ。50歳代、警部補で800万円~1000万円あたりの年収です。一つには危険手当があるからと言われています。警部補と言えば、9段階ある階級の下から3番目(巡査、巡査部長、警部補、警部、警視、警視正、警視長、警視監、警視総監:なお、巡査長という呼称は正式階級ではありません)にすぎないのですが、これだけの収入があるのです。

 多分、年収2000万円を越えてこないと富裕感はないでしょう。

:金が金を産むと言うと、不労所得のように思われますが、安全な方法である銀行預金は利子0みたいなものです。たとえ、利子率が高い時でもインフレ率より高くはなりませんから必ず目減りし、金が金を産んでいる状態にはなりません。

 金に金を産ませる為には、元手を0にするリスクをかけて、激しい頭脳労働しなければなりません。大方の個人投資家が儲からないことを考えれば「不労」などではないのです。20%の税金は余りに高いと言えます。