ピケティ氏の話の誤謬:NHK クローズアップ現代より

 クローズアップ現代での彼の話を聞いている限り、その趣旨は、別に間違っているところはありません。過度な格差は好ましくない。それは事実でしょう。確かに米国のCEOなどは働き以上の所得をお手盛りで得ています。勤労による所得は資本(財産ですね)の1/4しかなく、資本を越えることはできない。これも良いでしょう。問題は勤労所得者は富裕層(ここでは資本家と同義です)になれないとでも言っているような論の立て方で、これは間違いです。つまり、問題の所在の把握ができていないので、解決法も間違っているということです。

 ピケティさん、ようこそ我らが富裕層の世界へ。そう言いたくなります。あなたは大学校の教授としてのサラリーでは富裕層ではなかったことと思います。日本の大学教授と同じ程度のサラリーならば。

京大 研究費不正: 年収1000万円超のサラリーマンの生活 - dr-yokohamanerのブログ

 しかし、あなたの書いた本は150万部も売れているとクローズアップ現代では言っていました。日本の価格で考えると、6000円x150万部x10%=9億円程度の印税になります。尤も、訳書が多いでしょうから、この数分の一程度になるでしょうが、それでも、数億の資産となり、富裕層の仲間入りしたわけです。つまり、努力して大学を出てきちんと仕事をすれば40代で富裕層に入ることができるわけです

 資産>賃金 は正しいかも知れませんが、賃金労働者も資産側に転換できるわけです。なぜ、自分自身で証明してみせたこの事実を声を大にして言わないのでしょう。

 労働者諸君、君たちも私のように努力すればサラリー以外に所得ができ、資本を手に入れて富裕層になることができるのだ!! と。

  富裕層から税金を取って、それを遊んでいる無職者たちに与えても社会は良くなりません。かつてアメリカインディアン=アメリカ原住民=ネイティブアメリカンに無条件に生活補助金を与えた所、若者たちは働かず、一日中、アルコールやたばこやドラッグを吸って怠惰な暮らしをするようになったのは有名な話です。

 政府がすべきことはユトリ教育のような誤った政策を二度と取ることなく、スキルの無い若者たちでも働ける環境を、とにかく何か考えだすことです。