品性を欠くアメリカ式商法

 入った記憶の無い保険会社から、あなたの保険に新しいご提案的なダイレクトメールがひっきりなしにやってきます。アフラックとか言う保険会社なのですが、調べてみると「アメリカンファミリー生命保険会社」という正式名称なのでアメリカ系の会社なのでしょう。多分、入っていた日本の保険会社が買収されてしまったのではないかと思います。

 それはよしとして、なぜ勝手に申込用紙に必要事項を全部記入して、あとは署名捺印だけ状態にして送ってくるのでしょうか。この何枚にもわたる申し込み用紙は、このために個人情報のかたまりになっていてそのままゴミ袋へというわけにはいかず、いちいちシュレッダーにかけなければなりません。まったくアメリカ式えげつない商法なのです。まともな日本人スタッフがいればもう少し品性のある方法を考えるのでしょうが、アメリカ人からみると、そんな大人しい攻め方では客は落とせないという事なのでしょう。

 そういえば、米国に地鉄のような鉄道会社がほとんどないのは、こういう商法の結果らしいのです。Dr.がヘッジファンドを毛嫌いしているのはまさにその末裔のようなやりかたをしているからなのです。

 今はエッソと名前を変えた、といいますか、独占禁止法によって解体、名前を変えさせられたスタンダード・オイルというロックフェラーの会社がありました。ロックフェラーは創業時、ガソリンを売るために、まずは地方の鉄道会社を買収してまわったのです。勿論、そこは金色夜叉のアメリカ人、より良い経営をするためなどではありません。彼は買収した鉄道会社を次々と解体し潰して行ったのでした。人々は車での移動を余儀なくされました。そのためにガソリンの売れ行きが飛躍的に伸び、彼の会社であるスタンダード・オイルは大きく成長したのです。

 サンフランシスコに行くとシリコンバレーに沿って鉄道が走っています。これは便利で人もそこそこ乗っているのです。どこの街にも車の運転ができにくい老人が増えているので鉄道は重要な輸送機関なのです。

 日本にも村上ファンドなどというヘッジが一時作られ、物言う株主などと甘い言葉で飾っていましたが、所詮は金の亡者どものグループなので、企業への適切なアドバイスなどではありません。金を絞れば潰してしまうという連中なのです。

 日本の企業もブラックなどと呼ばれるものが増えてはいますが、アメリカに比べれば優しいものでしょう。