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起業か、サラリー(経済成長率)か、資産(資本収益率)か

 一見、比較しにくいものを敢えて並べてみました。最近、起業関係の番組がよく放映されています。そして、成功談だけが語られています。アメリカンドリームの裏は死屍累々であることは余り語られません。マイクロソフト、アップル、オラクル、シスコ、JustSystem、Yahoo、Google、Facebook、Twitter、LINE・・・成功は数えるほどしかないのです。

 今では、株式会社は資本金1円で作れるようになり、店舗や社屋もいらず、インターネットを使った気軽な起業が出来るようになりました。米国では早くから起業が盛んですが、アイデアも技術もなしに、自分も起業したいのノリで起業し、そして消えて行くのでした。

 起業者(start upと呼ばれます)に資金を投資する企業をベンチャーキャピタルと呼びます。彼らは「road kill cafe」と呼ばれる会議を毎週開きます。「road kill」とは、カエルや蛇が草むらから道路に出てきて自動車に轢き殺される有様のことです。「cafe」は、コーヒを飲みながらの会議ですね。毎日、山のように送られてくる提案書を1件当たり4,5分で読み、その事業性を検討する会議です。この会議で、スタートアップの提案がどんどん葬り去られて(殺されて)いくわけです。カエル君は道路に出てきさえしなければ、むざむざ轢き殺されることもなかったでしょう。スタートアップ君も、提案書など送ってこなければ、「ダメ企画」の烙印を押される事もなかったでしょう。一人で自分の企画に溺れて楽しんでいればよかったのに、という意味を込めたroad kill cafeという名称なのです。

 というわけで、サラリーマンは気楽な稼業なのです。なれればですが。なにしろ、なれさえすれば、働いている間は一定の給料が保障され、定年後は死ぬまで年金が支給されます。お金の価値は50年で1/10になりますから、スポーツ選手のように一時金でもらうより、分割して貰った方が安定しているのです。尤も、最近は、なかなか私企業の正規社員にはなれず、なっても、40代、50代でリストラされる可能性もありますので、公務員、特に地方公務員の方が安定しているかも知れません。

 生涯賃金を比べてみると、こんなに違うのですね:

世代別生涯賃金
  団塊世代(1947~1949生):   3億9726万円
  バブル世代(1965~1969生):  3億3018万円
  就職氷河期世代(1970~1984生):2億1924万円

大卒初任給の平均手取りの推移 | インターネットビジネスで成功した東大生山下雅宏のブログ

 ところで、ピケティというフランスの教授が、資産家が投資で儲ける(資本収益率)ほうが、給料(経済成長率)をもらうよりずっと良いと過去の膨大なデータを検討して発表したために、軽薄なマスコミが騒いでいました。そんなことは、優れた投資家なら、とうに気づいていたことです。膨大なデータを集めたことには敬意を表しましょう。

 身近にあるデータで、このことを実感できるものを探してみました。

大卒初任給の増加率東証株価指数(TOPIX)を比べてみましょう。

上の図は、「大卒初任給|年次統計」からの引用、

下の図は、「TOPIX (TOPIX) 【0010】 | 株価 チャート 日中足 日足 週足 月足 年足 | 株探」からの引用です。

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大卒給与の推移は、調査が始まった1968年の月給3万600円。
90年バブル崩壊以後、就職氷河期になり、約20万円。
2014年/1968年:20万円/3万円=6.7倍

東証株価指数は、1968年を100とした相対的な値です:

1968年  100
2012年  692
2015年 1633

 リーマンショクから立ち直れていない2012年でさえ、6.9倍(>6.7)です。

正常の状態に戻った2015年では、16倍になっています。

 つまり、サラリーでTOPIXか、日経平均指数のETF(上場投資信託)を買って、じっと持ち続けているのが良い戦略のようです。勿論、5年位ごとに来るオーバシュートの時には売って、その後の暴落時に買い戻すとより効率が良い投資になります。