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東方之星転覆事件: 中国はなぜ国民の意思を無視するのか

 天安門事件以来26年になるこの6月に何の因果か東方之星転覆事件が起き、中国政府はやっきになって報道管制を敷いています。天安門事件とは以下の事件です:

六四天安門事件(ろくよんてんあんもんじけん)とは、1989年6月4日に、同年4月の胡耀邦の死をきっかけとして、中国・北京市にある天安門広場民主化を求めて集結していた学生を中心とした一般市民のデモ隊に対し、中国人民解放軍武力弾圧(市民に向けての無差別発砲や装甲車で轢き殺した[1][2]との報告がある)し、多数の死傷者を出した事件である。」-- wiki天安門事件」より

 「民主化」を求める人々を「中華人民共和国」の「人民解放軍」が惨殺した事件ですが、非常に矛盾した事件だと思いませんか。人民の共和国の人民を解放するための軍が、国の主は民であると主張する人々を惨殺したというわけですから。つまり、リンカーンの言う「人民の人民による人民のための政府」ではないのです。簡単に言えば、ほんの一握りの「共産党員の共産党員による共産党員のための政府」なのです。国名にある「人民」など、自分たちを正当化するための言葉の綾にすぎないのですす。

 つまり、中国(中華人民共和国という名は実態を表さないので、こう呼びます)は、人民の国でもなければ、人民解放軍は、何からか知りませんが、人民を解放するための仕事などしておらず、実態は人民虐殺軍であるということなのです。

 今の中国の政権は、言ってみれば山口組が第二次世界大戦のどさくさに紛れて国を簒奪したようなもので、政権の正当性・正統性はどこにもありません。中国の人民は、今の政権を支持したことなど一度もない。勝手に人民の国を名乗っているだけだということでしょう。それが天安門事件でもあるのです。

 中国の歴史を見ればわかるように、今の政権は共産党王朝の帝国なのです。王朝の帝国というのはおかしいのですが、帝朝という言葉がないので、こう呼んでおきます。王:kingは、kinが「親戚」という意味であることからわかるように同一民族のおさ(長)ですし、皇帝は多民族を一国とした帝国のおさです。中国では始皇帝以来、ならずものが革命と称して前政権が弱体化したどさくさに紛れて暴力で打倒して、昨日までのヤクザが今日から皇帝と称してきた国柄です。漢の高祖、劉邦、明の太祖、朱元璋などは本人自身が最貧階級から出ているのですが、他の王朝も創始者の何代か前は同じようなものです。

 現在の中国は、漢帝国明帝国の代わりに、世襲制ではない共産党帝国ができているだけのことで、人民が国の主人である民主国家とはほど遠い政体なのです。ローマ帝国も最後は世襲制ではない皇帝制でしたが、中国はローマ帝国より独裁制の高い皇帝制の国なのですね。人民の共和国などとは、彼の国の諺を借りれば「羊頭狗肉」そのものです。

 だからと言って、この共産党独裁皇帝制が破綻することも大きな危険ではあるのです。13億の中国人民は十分な教育を受けておらず、民度があまりにも低いので、現政権が倒れれば大混乱をきたすことでしょう。13億人の国が乱れては世界が迷惑します。独裁者フセインが倒れた後のイラクが、今、どうなっているかを見れば容易に理解できるでしょう。自分が主であるという意識の薄い無教養の人民が、統制を失えば混乱しか残りません。次善の策として現政権がいるほうが、倒れるよりはましなのかも知れません。

 そういえば、今のイラク・シリアのイスラミック・ステートは毛沢東共産党を彷彿とさせます。