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ギリシャがいよいよ破綻のプロセスへ

 7月5日に国民投票を行うとチプラス首相が、予想通りに表明しました。しかし、6月末にはIMFへの返済があり、これに間に合わないので待ってくれと虫の良い事を言っています。IMFは、既に、1日も待たない。遅れれば7月1日にはデフォールトとすると表明していますので、そうすべきでしょう。

 そもそも、分かりきった事をここまで引っ張り、国民投票を人質にしてEUの譲歩を促そうとは子供も良いところで、所詮チンピラがどさくさに紛れて政権をとったにすぎないという事です。

 ドイツが代表するEUはなんとか解決したいというポーズはつけていますが、ギリシャにその気がない以上、無理なことは承知しているでしょう。そもそも、ギリシャをEUに入れたのはドイツで、ドイツはギリシャの財務状態など分かっていたことと思われます。あの貧乏国の貿易状態、財務状態を考えれば、EUに加入できるような状態にないことなど知っての上で、入れればドイツの輸出圏が大きくなり儲かると踏んで目をつぶって彼の国の言い分を信じたふりをして加入を認めたに決まっています。その意味では、ギリシャデフォールトは、これも「強欲の帝国」ドイツにとっては自業自得なのです。

 もし、ギリシャの言い分を認めれば、スペインを始めとする他の赤字国が黙っているはずもなく、EUは崩壊の道に進むことになります。傷は浅い内に治すことです。ギリシャは切り捨てるのが唯一の正しい道でしょう。

 EUとギリシャの言い分の違いは、EUは年金削減、公務員削減、消費税を大幅アップするなどで支出を減らしなさいと言っているのに、ギリシャは、あてにならない増税収入を増加すると言っているだけなのです。これでは平行線でしょう。そもそも、借金で贅沢三昧をしてきて、その金を返せないのに贅沢三昧はそのままにしたいと言っているのですからEUも納得するはずはありません。とはいえ、年金が少ないので食べられないという声もあります。ピケティではありませんが、恐らく、持てるものと、持たざるものの格差が酷いことになっているのでしょう。現政権になってからEUと喧嘩するばかりで、銀行からは金がどんどんと引き出されて逃避し、経済は停滞してGDPも減っていて、ギリシャはますます貧しい国になりつつあるのです。愚かな国民はそれに気が付いていない?

 「国家破産」向壽一著 講談社文庫 1990年から、かつてのギリシャのような国がどれほど苦労していたかを引いてみましょう:

IMFコンディショナリティは、輸出を伸ばし、輸入を制限し、財政赤字を縮小し、為替レートを引き下げることを勧告している。

 こうして国内食料用農産物生産より輸出用農産物の生産を推奨する。そうすれば、一方で、輸入が削減されて国内農産物自給が低下するのであるから、当然需給ギャップが生ずる。農産物物価の上昇である。他方、財政赤字削減のため基本食料への補助金を廃止させ、食料価格を市場メカニズムに委ねるわけであるから、食料品価格は急騰する。・・・つまり物価は全般的に上昇せざるをえないのである。

 ブラジルのある町ではこういう話がある。

『親たちはごみ置場をあさりに行ってしまった。子供たちがとても貧しく見えるので、ソーシャル・ワーカがこの頃何か食べているかどうかを尋ねる。「ええ、おねえさん、ママは昨日湿った新聞紙で小さなお菓子を作ってくれたわ」「何ですって。何でできたお菓子?」とソーシャル・ワーカは尋ねる。「ママは一枚の新聞紙を持ってきて、それを丸めて水に漬けて上手に柔らかくこねて小さなお菓子にしたの。あたしたちはそれを食べて、水を少し飲んでそれで気持ちよくおなかがいっぱいになったの」』」pp.93-94

 ギリシャはまだこれほどの苦労はしていないことでしょう。大人は子供たちにこんな思いをさせてはいけませんね。ドイツは第一次世界大戦に負け、膨大、法外な賠償金を課せられた結果、貧しさに耐えきれず、口先だけのヒットラーを首魁に選び、第二次世界大戦を引き起こし、そして又も負けた経験があり、ギリシャの苦労は少しは分かると思うのですが・・・IMFコンディショナリティを墨守するだけでなく、落としどころを見つける工夫はできないものかとも思わないでもありません。勿論、相手がチプラスのような知恵も能力もないチンピラでは話にならないでしょうが。

 Dr.Yは、彼の首相としての報酬が気になります。もし、報酬0で、真にギリシャの為に奔走しているのなら見方を変えますが、そんな報道はないので高給をとっているのではないかと思います。一日でも引き延ばして首相の座にいたいという十分なインセンティブが彼にはあるのではないでしょうか