東芝田中社長が辞任へ:株価は?

 1500億~2000億円が巨額なのかどうか分かりませんが、新聞記事によれば、その不正経理(新聞によれば、「損失隠し」と書いてありますが、「損失」でもなければ「隠した」のでもなく、将来の利益を現在に引き当てたのではなかったかと思います)の責任をとって辞任するだろうということです。更には、特設注意市場に移されるが、監理ポスト入りや上場廃止にはならないとも報道されています。しかもこの注意市場に居る期間は1年程度であるということです。

 さて、株価が300円台前半か200円台になるのなら、今年に入ってからの最高値は500円近辺でしたので、長い目でみて買いかなとは思っています。まさか、東芝が潰れるようなことはないと踏んでの話です。そうは言え、東芝の株というのは難しいのです。何が基盤事業なのか最近では非常にわかりづらいのですね。前会長の西田氏は選択と集中策として原子力に舵を切り、しかもそこに集中したところに、あの東電の福島原子力発電所における大事故です。残る稼ぎ頭はフラッシュメモリーです。あとはインフラをやってはいるのでしょうが、華々しいものではないのでしょう。分かりません。買うとしたら、老舗の暖簾を買う事になりますが、そもそもなかなか300円台前半に下げません。

 もともと、東芝のこの騒ぎは何が原因なのでしょう。あの種の経理操作というものは外から分からないと思うのですが。内部告発があったのでしょうか。尤も、今となっては、こうなった構図は推測可能です。何しろ、佐々木副会長が、素直に、社長→会長のコースをとらず、これまでなかった役割不明な副会長となり、それを飛び越して、顧問と言う名の無職になっていた室町氏が会長、しかも代表権のない会長になるという不規則人事がなされたのです。誰が見てもおかしいのです

東芝は同日、西田会長と大学教授、弁護士の3人で構成する指名委員会を開き、室町氏が会長に就く人事を承認した。権限を社長に集中させるため、室町氏も代表権の無い会長になる。

 室町氏は同社の主力事業で直近の稼ぎ頭である半導体部門の出身。副社長を経て2012年に常任顧問にいったん退いた。13年6月に取締役に復帰、次期会長の有力候補と目されていた。」--

東芝会長に室町氏を内定 西田氏は相談役に :日本経済新聞

 「西田会長と大学教授、弁護士の3人で構成する指名委員会」が行った人事ということになっていますが、日本の企業人事を知るものなら、大学教授と弁護士はYES-MANの飾り物で、西田氏が行った人事であることは明明白白でしょう。この二人の確執は、当時の佐々木社長が、西田会長に、業績が悪いと非難され続けたことから起こっていたと報道されています。佐々木社長は結果は出している。非難されるいわれはないと反論していたとも報道されています。ググればすぐに出てきます

 田中社長が各部門の責任者に、利益の付け替えを示唆するような圧力をかけたと報道されていますが、詰まる所、佐々木氏も、田中氏も、西田氏に圧力を掛けられた結果ではないでしょうか。それにしても、原発と言い、今度の不正経理事件といい、つくづく運の無い人だという印象です。

 さて、こんな経緯だとすると、東芝は立ち直れるのか?300円ではまだ高く、200円まで落ちたら買おうかと、なかなか悩ましい所です。