胃炎の薬

 職場の定期健診で胃全体に炎症があると診断されました。そういえば、1週間ほど前から食後、吐き気がしていました。なぜ?消化器官は子供の頃から自身満々の健康体のはずでした。早速、近所の消化器専門病院に行き、嫌いな胃カメラを呑み込みました。薄いピンクの点々が胃の全体にありますね、と言う事です。それはバリウムでも判っていたので要は薬をもらいに来たのですが、こんな程度では薬は要らないのですが、何か欲しいですかというので、とりあえず、胃酸を抑制するものを2週間分もらってきました。吐き気がしなくなっても、飲みきって下さいと薬剤師さんに言われました。

 

 が、2週間経っても全然治りません。当然、飲みきっています。それで、近所の薬局に行って、胃壁を修復する薬が欲しいと言って出してもらったのが、TVで盛んにコマーシャルをうっているエーザイのセルベールです。最新の薬?ただ、この薬、おかしいのです。胃粘液を増加し胃壁を消化液から守るというというものなのですが、それなら、食べる少し前に飲むものだろうと普通、思います。それが、食後服用と書いてあるのです。既に食べて、胃酸がジャブジャブ出て胃壁を痛めつけているのに、その後、胃粘液を出すも何もないものではないかと思うのですが・・・。

 

 それでWebで調べたら、ある患者さんが医師に、どうして食後に飲むのか。胃粘液を出して胃壁を守るなら食前に飲むべきでしょう。そうしなさいと言われて、どういうことなんでしょうという相談をしているサイトを見つけました。普通、この医師のように考えます。尤も、この医師は説明書を読みもしないで勝手な推測を言っているだけでちょっとけしからんのですけれど。

 

 というわけで調査を続けると、そもそもこの薬の主成分であるテプレノンが脂溶性なので、空の胃に入れても吸収されない。食物と一緒に飲めば、食物の油脂に溶けて吸収されるからとありました。それから、この薬は胃壁に直接働いて粘液を出させるものではなく、吸収されて血液に入り、それから然るべき所に運ばれて効く(脳に入り、脳から胃粘液排出ホルモンでも出させる?)のだそうです。肉を食べて塩酸がジャブジャブと胃から出てきているのに、そんなかったるい方式で粘液を出しても手遅れじゃない?という気持ちが抑えきれません。勿論、2週間飲んでも効いた気がしません。

 それで、ライオンが出している胃粘膜修復薬という、実に直截的な効能の薬であるスクラルファート製剤のスクラートという、これまた直截的名前の薬を買ってきました。これは飲めば胃粘膜表面にベールのように広がり、炎症部にくっつき直接カバーして薬がそこから入って治すという説明を、これもTVでしていました。で、またも2週間試しました。ただ、この薬はアルミニウム化合物かなにかが入っていて、禁忌の病気があるそうです。腎臓が悪い人はダメかもしれません。で、上記の機序なので当然、胃が空っぽの時に飲むと書いてあります。非常に論理的で判りやすい薬です。

 そこで、食後にセルベール、食後4時間の寝る直前だけにスクラートを飲みました。2週間後、吐き気は消えました。治った?そのうち、また胃カメラでも飲むつもりでいます。