色々な想いを籠めて:バス事故、不景気下の就職状況

http://nikkan-spa.jp/464069

「福田洋平さん(仮名・39歳)は旧帝大の一つ北海道大学の出身。卒業後は地元の有名食品メーカーに就職するも「違う業種で働いてみたい」と転職。だが、待っていたのは、過酷な営業ノルマと36歳でのリストラという厳しい結末だった。

「すぐに仕事を探し始めましたが、北海道はずっと雇用情勢が悪く、ホワイトカラー系の求人は特に少なかったんです。何でもよかったんですけどね。それでも北大だし、書類で落ちることはなかったけど、学歴だけで採用されるほど甘くなかった」

 失業保険が切れた後は工場の契約作業員で食いつなぎ、再就職を目指していたが、現実的に希望の職種は難しいと判断。タクシー会社は妥協の末の決断だった。

「車の運転は好きでしたし、何より比較的簡単に就ける仕事でした。年収はサラリーマン時代より150万円近く下がったけど、選り好みできる状況じゃないですから」

 北大は北海道の東大みたいな存在。地元企業にとっては人材の宝庫ですから身の丈で企業を選べば、就活など楽なものでしょう。しかし、中途採用となると、そうはいきません。大学の名前は知能指数のレベルを見るもので、その新卒なら高い確率で良い人材が選べると人事は考えます。それが脂が乗って来た所で退職しては、なにかあるんじゃないかと人事は怯みます。NHK真田丸」で小山田が武田を裏切って織田のもとに走った時、信忠は裏切り者に用はないとして受け入れませんでした。この呼吸がわかるかです。

 この人は文系ですから、なんら特殊技術をもっていないようです。採用する理由が企業側にありません。訳ありではない、文字通りフレッシュマンが毎年大量に大学から供給されるのですから。人事担当にとっては、そこから選考しておけば、万一、ショーもない学生をとっても、歩留まりとして扱え、自分の失策にはならず、出世競争からはずれることはありません。この人を採用することは人事担当個人の出世にかかわるので、そんなリスクは冒さないのです。

 そういう人の行き着く先がタクシーや観光バス業界なのでしょうか。必ずしもそうではないでしょうが、確率的にはおおいのかもしれません

 

ページトップへ