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企業経営における「選択と集中」の真の意味

 株式投資をしている者にはポートフォリオを組むのは当たり前のことです。何しろビジネスの世界は一寸先は闇ですから、一発勝負などできません「選択と集中」したら破産します。


 ポートフォリオなんて組んだらあちら立てればこちら立たずで儲からないんじゃないのという疑問が湧くかもしれませんが、それでいいのです。あちらたてれば、こちら立たずの準定常状態の市場では資産を目減りさせないことが重要で、ここで儲けようなどという色気をだすと損をだすのです。

 市場が右肩上がりの時は利益の割合に違いはあってもほぼ全ての銘柄が上がりますし、逆の場合、ポートフォリオもくそもなく、ほぼ全銘柄が下がります。どちらの場合もポートフォリオもくそもありません。準定常状態の市場で資産を目減りさせないことがポートフォリオの役目なのです。あるいは、投資信託のように「人の金」を預かる時も、利回りは悪くても安全性を求める目的でポートフォリオを組みます。

 勿論、100万円や1000万円程度の資金では家を建てる、老後の生活を支えるなどの資産としては不十分で、これを一挙に何倍にもしたい、損は覚悟の上。まだ若いのだからリカバーできるという場合、一発勝負にでることも必要です。織田信長今川義元に10倍の軍隊で攻められた時、一発勝負の奇襲にでました。他に手は無いのですから。座して死を待つなら一発勝負は当然でしょう。しかし、以後はこのような冒険はしていません。勝つべくして勝つ準備を周到にしています。

 翻って、潰れそうなシャープや東芝はどうでしょうか。素人社長の下で大変な事になっています。ポートフォリオの意味を知らず、液晶や原子力を選択、そこだけに集中した結果、倒産に瀕しているのです。彼らは「他人の金」、何万人もの社員・家族の生活を預かっている投資信託の担当であることを忘れ、競馬の馬券を買うような一発勝負に出たのです。信じられません。

 企業における選択とは、5年も10年も惰性で赤字を垂れ流している事業を思いきって切ることでしょう。神ならぬ身に一事業を選択などできるわけがありません。一寸先は闇を、シャープも東芝も経験しましたね。後進国でも作れる液晶市場の価格崩壊。東電の放漫経営による原子力発電所津波被害。どこに悪魔の手が潜んでいることか、それを認識して経営することが、つまりは適切なポートフォリオを組むことが経営者の責任でしょう。