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認知症男性とJR事故への最高裁判断

 最高裁の判断は「家族のさまざまな事情を総合的に配慮すべきである」ということで、つまりは「個別の事情を考慮する」という事であり、その意味では大岡裁きの好きなDr.Yは納得できます。ただ、この場合、家族ではなく事故を起こした本人への賠償=死亡で不可能、ということにした方が論理的には綺麗でしょう。法で家族への賠償請求可能ということになっているようですから、最高裁判断も仕方ないのですが。本来は、JRへの賠償は法令で定められているということなので、この法令を違憲とする違憲立法審査権を行使するのが正攻法でしょう。が、そこまで踏み込みたくないので大岡裁きにしたのでしょう。

 とはいえ、個別の事情となると恣意的ということでもあり、本来、下位裁判所では条文に沿っての判断しかできないので、弁護士が何と喚こうと精々高裁判断程度になって、必ず最高裁まで行ってしまい、被告としては個別に恣意的に判断して無罪にしてほしいという事になるので、最高裁は忙しくなり、下位裁判所は権威も糞もなくなります。本来はあまり良い判断でもなかった気がします。

 更なる問題は、JRでなく零細企業が被害を被り、この損害の為に破産することになり、従業員5人が露頭に迷う場合、どうなるかという点です。この零細企業の負担にはできないでしょう。その為に「総合的判断」としているのですが・・・。馬鹿な所謂(あくまで「いわゆる」で、本物ではありません)人権派と言われる弁護士は、手放しで最高裁の判断を喜んでいますが、今回はJRのような大企業ということで、700万円程度の損害で倒産はしないだろうということで、仕方なく受け入れられるものです。

 首都圏では最近、かなり頻繁に鉄道で「人身事故」が起きていますが、恐らくは飛び込み自殺でしょう。勝手な事情で起こしたこの損害を全部、我々の運賃から補填するわけにはいかないでしょう。それが原因でJRの只でさえ高い運賃が値上げされては、何の関係もない大衆が損害を被るわけです。