片づけられない人々

 こんな本を以前紹介したと思います:

発達障害に気づかない大人たち (祥伝社新書 190) 新書 2010/1/30
星野仁彦 (著)

 

 だらしない、いい加減、そんな言葉で片付けられてしまう人たちです。その多くは、実は病気なのです。病気なのですが、細菌やウィルスが原因となる感染症と違い、器質的な病気--脳神経系のちょっとした機能障害など--は、病気とは思えず、努力の欠如、性格の悪さと思われてしまうのですね。これが、同じ器質的な病気でも、糖尿病などなら病気と思われますが、脳の場合、分かりにくいので本人さえなぜ自分がそうなのか分からないのが問題です。

 今朝の読売新聞の記事に「片づけが苦手なADHD(注意欠如・多動性障害)の傾向を持つ「ADHDタイプ」の人たち」というものがありました。ADHDは病気ですが、「タイプ」が付くと、病気までもいかないが、その傾向があるということになり、ダラシナイ人間ですまされてしまうのでしょう。

 「行動や感情をうまくコントロールできないのは、脳内の神経伝達物質ドーパミン』の分泌がアンバランスなためです」ということです。

 「ドーパミンは、好きなことをやっている時、好物を食べている時、・・・などに放出される。しかし、やらねばならない義務や強制にあうと、ドーパミンはとたんに休眠して、集中力が続かない・・・

 ということです。発達障害適応障害などは、この原因なのでしょう。脳神経系の構造が原因で生まれつきな人もいれば、なにかのストレスを契機として慢性化してこうなる場合もあるのでしょうか。老化も一つの原因でしょう

 実は、Dr.Yは、かなりの人口がこの「ADHDタイプ」ではないかと疑っています。「格差が拡大・・・」で引用したことです。

 

「『「頭が良くて理解力があって我慢強くてスキルがある若者」が異常に増えた一方で、「頭が悪くてワガママで我慢できなくてノースキルな若者」も異常に増えたように思います。

この大量にいる「頭が悪くてワガママで我慢できなくてノースキルな若者」が仕事が無くて、貧困に陥っている場合、どう支援すればいいのでしょうか?

教育が悪いのか、企業研修がショボいのが悪いのか、若者の親が悪いのか、少子化がわるいのか、ゆとり教育が悪いのか、原因はわかりません。

彼らの望む「自分らしさ」「高収入」「やりがい」「将来性」「時間的ゆとり」をすべて満たせて、彼らの能力で遂行できる業務が地球上に存在するのかと思います。

     ・・・

さらに、人口が減り、少子高齢化なのに、「頭が良くて理解力があって我慢強くてスキルがある若者」と「頭が悪くてワガママで我慢できなくてノースキルな若者」に二極化してきました。

さらに、テクノロジーの進化で、業務内容が、超高度なスキルか単純作業の二極化していったように思います。

要するに、5%のすごい頭のいい人の高度な上流業務と、95%の下流業務の世界になってきたのです。

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「頭が悪くてワガママで我慢できなくてノースキルな若者」がマクドナルドの本社や、Amazonの本社で働くのは難しいです。しかし、彼らは、マクドナルドのアルバイトや、Amazonの倉庫で働きたくないです。当たり前といえば当たり前なのですが、これが人手不足の原因ではないかと思います。

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』 -- http://blogs.bizmakoto.jp/fukuyuki/entry/20969.html

 

 ここで挙げられている「頭が悪くてわがままで我慢できなくてノースキル」なという人々の中には、「わがままで我慢できない」というADHDタイプである結果、勉強に集中できず、その結果、頭が悪いとされ、その結果、ノースキルになっている人々も何割かは居るのかも知れません。人材の損失ですね。医学はなんとかできないものでしょうか。

 ドーパミンの前駆物質を多く含む八升豆などもありますが、こういう向精神的物質を医師の管理の外で使うのは怖いですし、医学はこの種の未病状態を相手にしないし、未病も対象にする漢方も、無関心です。なんともはや・・・

 ある仮定では、A10(エーテン)神経系という快楽神経系が「やる気」や「創造力」の源だそうですが、仮定の域にすぎませんし。