実印と三文判の効力は基本的に同じ

 もっと驚くことは、シャチハタスタンプのように同じ印影が何百万もあるだろうゴム印でも、遺言書ではOkということです。つまり、法律にダメと書いてないということなのです。

 

 銀行で口座を開く時は、ゴム印はご遠慮くださいと言われます。契約相手がダメだと言うのですからだめですね。通帳を盗まれたり落としたりして、シャチハタスタンプが使ってあったら、そこらで買って全額下ろされてしまいます。銀行は印鑑証明を要求しないので、その代わり唯一性がある印影を必要とするのです。尤も、今では通帳に印影は押さないですね。パソコンで簡単にスキャンして偽印鑑を作れてしまうからです。

 

 三文判と実印は何が違うか?本当に本人が押したと言うことを実印は役所へ行って印鑑証明を取ることで証明できますが三文判ではそれができません。勿論、三文判を実印登録すれば、それは実印ですけれど。

 

 遺言書はシャチハタスタンプで良いからと言ってそれを使うと遺言者が亡くなった後、本人が押したと言う証明ができないでしょうね。遺言書に反対する人が居たら対抗できません。下手すると無効になってしまいます。何しろ本人はもう居ないのですから。

 

 逆に言えば、三文判だからゴム印だからと気楽に押してはいけないと言うことです。効力は実印と同じです。何らかの方法で本人の印だと証明されれば、借りた覚えの無い一億円の借金証文ができてしまいます。