ニンニクは体に良い。しかし、臭い。臭くないニンニクは効くのか?など。
・ニンニクの有効含有物はアリイン。
・アリインは無臭。しかし、アリイン自体は効能がない。
・ニンニクを切るとアリインは酵素によって臭いアリシンに変わる。
・このアリシンに効能がある。しかし、臭い。
・この臭い、体内に入ると口だけでなく、肌からも発散して全身臭い。
・酵素は熱に弱い。それで、皮の付いたままのニンニクを茹でて熱で酵素を壊す。
・この後、切ってもアリインはアリシンに変化せず臭くないニンニクになる。
・熟成黒ニンニクもこれである。
・しかし、アリインでは効能がない。体内でアリシンに変わる必要がある。
・ビタミンB6が酵素のような働きで体内でアリインをアリシンに変える。
・この変化は、ニンニク一粒の中で起きるような集中的なものではない。
・よって、肌や口から発散されるアリシン由来の臭気は極く微少で無視できる。つまり、目立つほどに臭くない。
・アリシンにはペニシリンに匹敵する殺菌力があるので傷に外用できる。
・ しかし、アリシンは分解しやすいのですって置いてある物ではダメである。生のにんにくを使う。
以下に詳しいので詳細は原典に当たって下さい。
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アリイン(Alliin)は、新鮮なニンニクに含まれる天然のスルホキシドである[1]。アリインはシステインの誘導体である。新鮮なニンニクを切ったり摺り下ろしたりするとアリナーゼによってアリシンに変換される。アリシンはニンニクの独特な芳香の原因である。
ジアリルトリスルフィド(DATS)
にんにくが持っているアリインという成分がアリイナーゼという酵素と反応してアリシンに変化し、さらにこのアリシンをオイルに溶かすと分解・結合して数種類のスルフィド類に変化する。ジアリルトリスルフィド(DATS)はこのスルフィド類のひとつであり、揮発性のイオウ化合物である。
ジアリルジスルフィド(DADS)
ジアリルトリスルフィド(DATS)とともに、アリインがスルフィド類に変化して発生するスルフィド類のひとつ。二硫化アリルとも呼ばれ、黄色みを帯びた水に溶けにくい成分であり、にんにく特有の刺激臭を有する成分のひとつでもある。
https://www.229dic.com/motto/nutrients.html
このアリシンは硫黄化合物であり、いわゆるイオウ臭さがあります。また、このアリシンが体内で分解される過程でアンモニアやピルビン酸を発生します。アンモニアは汗や尿の臭いなどに代表される刺激臭を持ち、ピルビン酸もやや酸っぱい臭いのする物質です。
にんにくの臭いはこれらイオウ臭やアンモニア臭、ピルビン酸の臭いなどが合わさったもので、その大元の原因がアリシンなのです。
尚、アリシンは反応しやすい物質で、更にジアリルジスルフィド(DADS)やアリルメチルスルフィド(AMS)、アリルメルカプタンなどに変化しますが、それらの多くも硫黄化合物であり、特有のイオウ臭を持っています。
にんにくは消化・吸収された後、血液を通して全身を巡ります。その間もにんにくの臭い成分は残っているため全身からニンニク臭を発することになります。
このアリナーゼという酵素は熱に対して非常に弱く、ボイルしたり、焼いたりすると、アリナーゼは働きを失なうため、アリインはそのまま残っていてもニンニク臭は発生しません。
にんにくとして摂取したアリインは、体内にあるビタミンB6によって徐々にアリシンに変化してニンニクの効能を現わします。
この時もアリシンはニンニク臭を発しますが、ビタミンB6は1ヵ所に大量にあるわけではないためアリインは少しずつアリシンに変化し、それほど強い臭いは発しません。
アリインがアリシンになる際、たんぱく質、脂質、糖質、ビタミン、カルシウム、リンなどと結合することによりアリシンを包み込み、効能を高めると共にニンニク臭を軽減する作用があります。
https://garlicnow.com/cooking/smell/
■アリシン
アリインがアリナーゼの作用で分解してできるイオウ性化合物。化学反応によってジアリルトリスフィドと呼ばれるにおい成分に変化します。抗菌作用、血小板抑制作用があり、ビタミンB1と結びついてアリチアミンという成分に変化し、ビタミンの吸収と効果を促進します。
http://www.healthy-house.jp/ninniku/seibun.html
アリシンはさほど安定した化合物ではなく、放置しておいても徐々に失われ、調理すると速やかに分解する。
アリシンの殺菌効果は強力なため、ニンニクやタマネギなどを生で摂取したり、過剰摂取すると、胃腸内に存在する腸内細菌類を殺してしまい、胃腸障害を引き起こす危険性がある。
NHK ガッテン 2018.8.1 によると体内でできるアリシンによる臭いの量は以下のようです。
アリシンの臭気はタンパク質にくるみこまれて軽減できます。牛乳を飲むのはその一貫です。
以上を総合して、Dr.Yは、夕食後から寝るまでの間に熟成黒にんにくをプレーンヨーグルトに入れ、蜂蜜とオリゴ糖で味付けして食べています。
関連項目
以上でこのレシピの意味も理解できるでしょう。