人生の設計 2 年金

20代後半の新婚夫婦の問題を書いたところで、どうしても定年後の問題まで触れねばなりませんでした。このブログは「知的生活の技術」をテーマにしていますので、読者層も知的であることを想定しています。年金などを全生活クラスに渡って書くと、もう何がなにやらサッパリわかりません。そもそも、自分の生涯平均月給なんて分かりようもありません。給与がリニアーに上昇などしないですしね。55歳で役職定年するのでガクッと減りますし。

 

東大、京大、東工大の工学部から大学院修士課程を修了し、製造業の超大企業の技術者になり、博士号を持ち事業部長級で60歳で定年した70歳代の方々から聞いた年金については、前回書きました。このクラスの学歴では普通に昇進するコースです。この上は役員になりますが、役員になるかどうかは学歴や業績以外にコネのような様々な偶然があり、またなればなったで株主代表訴訟の対象にもなるのでなりたくない人も居たりして一概にまとめられません。割愛します。10年以上ワンマンを続ける専制型の性格異常者でなければそれほど長い役職ではないので、大した変わりはないでしょう。東芝不正経理が問題になったとき、最後の社長であった田中氏が(株主代表訴訟による賠償→差押えを怖れて)3LDKのマンションの権利を妻に移したと週刊誌に書かれました。日本の大企業の社長と言えどもその程度のもの。オーナじゃないので。

 

 「

 スルガ銀行静岡県沼津市)のシェアハウス向け不正融資問題で、防止するための内部管理体制をつくらなかったとして、株主らは18日、スルガ銀に約565億円の損害賠償を支払うよう有国三知男社長に求める株主代表訴訟静岡地裁に起こした。

」-- Yahoo!ニュース

 社長が私財で銀行に賠償せよという訴訟で、社長が負ければ、こんな私財が有るわけもなく破産です。

 

上記クラスでも専業主婦の妻と合わせた世帯年金が40万円程度でした。企業年金の違いにより、更に積み上がることもあります。JALがそうでした。企業年金40万円、公的年金20万円など。電力会社も半官半民独占的企業でした。銀行もそうでした。過去形ですが、年金は過去のものを現在受けとるわけで、その意味では現在進行形でしょう。

 

平均的には、

世帯の公的年金 

パターン1 会社員×専業主婦(夫は会社員、妻は30歳から専業主婦の場合)

年金額 毎月24.0万円
詳細
夫 厚生年金(定額) 65,000円/月  厚生年金(報酬比例) 97,453円/月
妻 厚生年金(定額) 65,000円/月  厚生年金(報酬比例) 13,038円/月

  Dr.Y註 「厚生年金(定額)」とは、「老齢基礎年金」 の事。


条件
夫 20歳~会社員 平均給与45万円
妻 20歳~会社員 平均給与25万円 30歳~専業主婦

okanenokozuchi.com

 この24万円に企業年金が加算されます。

 

 

diamond.jp

 

上のサイトでも、

 専業主婦と夫の世帯年金は22万円。

 男の年金は16万円。

平均的な値はこんなものです。つまり、冒頭のエリートは、低い企業年金の層でも平均の倍弱もらっているということです。生涯の平均給与の高さ、企業年金の高さが作る差です。

 

退職金の年金化

退職金というと普通一時金を思い浮かべます。しかし、年金化することも可能です。知人の中にはそうして、月に10万円の年金upしている人がいます。年に120万円。10年で1200万円。Dr.Yの知人は大抵早期退職して次の職場に移っているので、退職金も複数もらっていて、一体どの退職金を幾ら年金化したのかまでは不明ですが、一般に年金化は不利のようです。

 

退職金の受け取り方

       退職一時金      退職年金
メリット  ・税制上の優遇あり  ・長生きすると有利。但し、

                  何歳以上で有利になるかの計算は
                  個別の条件に依存し、面倒
                 

デメリット    なし       ・税制上の優遇がなく、寧ろ年金が

                  多くなることで、毎年の所得税
                  住民税、社会保険料が増加する

                  場合がある
                   

https://money-viva.jp/money-jiten/0007/?aff=mnvv_anDSP1804005

 

 

 

さて、30年後です。

 

haitoukinko.com

 

2043年(27年後)には、現役世代の平均月収の50.6%、17万6,100円になるそうです。現在よりも20%減だそうですが、kinkoは意外に貰えるんだ!という印象です。

 

このサイトの30年後の金額は大変能天気な値です。大本営発表のままなのでしかたありません。話半分に聞いておきましょう。上の17万61,00円は、Dr.Yの山勘では、平均値ではなく、上に記したようにエリート達の世帯年金の額です。

 30年後、年間100万人を切った人口が30歳に。就職できず年金を払い込まない人、多数。今でさえ、50歳代は半数しか年金を払い込んでいない!

 

50歳代では5割近くが「国民年金未納」

 

 

president.jp