家庭の電気工学:100vか200vか?

家計的に考えると、どちらが良いかは難しいです。東電は手を抜いて津波に対する対策を怠ったために今は実質国有企業。オール電化運動をしておらず、200vでの夜間電力割り引き「電化上手」の新規契約を止めてしまったからです。エネオスに類似のサービスがないか聞いてみたら、同様なサービスはなく、今、電化上手契約ならそのままでいて下さいと言われました。

 

純粋に電気工学的に考えます。家庭の電気は電圧が一定の直流ではなく、振幅100√2V、周波数50Hz(富士川以東)、60Hz(富士川以西)の正弦波の交流です。交流が発するエネルギーは直流のように、電圧x電流 のように簡単ではないのですが、取り敢えず直流でシミュレートしておきます。考え方はそれで十分です。元々単純に考えられるように数値を設定してあるのです。つまり、交流の100vは実効値で、最大値は141vです。ある観点で直流と仮定すれば100vということです。

 

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電気エネルギーは、電圧x電流 です。同じエネルギーを出すには、電圧を2倍にすれば、電流は1/2で済みます。所で電気を運ぶ電線には必ず電気抵抗があります。電気が流れようとする動きに抵抗するので、こう呼ばれます。以後、簡単に抵抗と呼びます。すると、この電線で抵抗によって消費され無駄に使われるエネルギーは、 電流x電流x抵抗 です。

つまり、電流が1/2になれば、電気の運搬で無駄になるエネルギーは、

1/4になるのです!

 

電力会社の発電機から家庭に運ばれる電気の電圧を可能な限り高くするのは途中の電線でエネルギーが失われないようにするためです。この無駄になったエネルギーは熱になって空中に逃げて行きます。熱を出すことが目的ではない電気製品が熱くなるのは、この無駄なエネルギー消費によるのです。場合によっては、火事の原因になります。

 

大きな電力を使う機械が家に沢山あれば、それらは200vにした方が良いでしょう。エコキュートは夜間電力で400リッターもの湯を沸かします。20畳ものLDKを冷やすエアコンも大電力を使います。据え付け型のIH調理器。これらは200vにしたほうが良いでしょうね。

 

ところが、小さな電化製品には、200vのものがありません。0.5リッターのティーポットを探し回りましたがありません。見つかったものは旅行用のもの。ヨーロッパに行くと200vを超える国があります。それ用なんですね。100vで使うより余程速く湯が沸く事を期待したのに普通の100vポットより遅いのです。家庭では何の役にもたちません。

 

日本では、まだ混在で用いるしか仕方ありません。

 

なお、200vを家に引き込もうとするとそれなりの手数料が掛かります。家を大規模リフォームし、大電力家電製品を入れる時に検討するのが良いかと思います。

 

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