スキップフロアーと床暖房と

BSテレ朝のBefore-Afterを見ていたら、以前ちょっと触れたスキップフロアーの家のリフォームをやっていました。なかなか示唆的な番組でした。Dr.Yはエアーコンディショニングの観点からスキップフロアーには懐疑的ですが、高齢になったこの家のご主人が毎日何回も階段を上がったり下がったりが辛いというものでした。もう一つ、柱によって支える従来工法では、地震に弱いとも。家が一体になっていないからでしょう。この家は特に梁が途中で分断されている手抜き構造であった事も原因ということでした。

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スキップフロアーはお洒落に見えます。作ったその時だけ綺麗に見えて売れればそれでよしとする建築業界の風潮も困ったものです。 スキップフロアーにするのならエアーコンディショニングをどうするのか工務店には徹底的に考えてもらいたいものです。

 

冷房については、冷気は床に落ちるのでまだ対処しやすいのですが、暖房の暖気は上に逃げます。逃げた分は上から冷気が落ちてきて埋め合わせるという最悪の状態になります。どうするんでしょうね。

 

床暖房も酷いものです。部品の取り替えに床を剥がすという家を壊す行為は止めて欲しいものです。部品だけを修理、交換するなら仕方ないでしょう。大抵の電気機器には設計寿命10年と書いてあります。室外機を交換する分には問題ありませんが、家の床を10年毎に剥がすのは頂けません。大きなLDKだと、家具を運びだし、キッチンを取り外し。。。大工事です。工務店は儲かるでしょうが。。。

 

床板の下に脆弱な30年以上は持たない樹脂パイプを引き回すなど無責任そのものです。なぜなら、40代後半、年収1千万程度なのに、ローン支払いの真最中に、子育ての真最中にギリギリの家計から何百万円もの費用が発生するからです。普通の人が家を建てるのは30代半ばからでしょう。35歳としましょう。十数年後、ローン支払いの真最中に何百万円もの工事を入れる経済的余裕がありますか?

 

床面積30坪ーーマンションなら4LDKの広さ。高断熱・高気密の単価85万円として2550万円。土地40坪。単価35万円の郊外、駅からバス15分として、1400万円。3950万円。これにローン手数料、その他諸々で4000万円を遥かに越えます。3500万円をローンにして60歳定年の25年間で、返済にすると毎月、一体幾らのプレッシャーが家計にのし掛かるか。山勘で150万円/年?

 

 ローンを払い終えるまで床暖の配管が保たず、ローン支払い真最中に、またも数百万円の出費って、やってられませんよ。

 

その上、平成、令和の世は既に終身雇用の時代は終わり。昭和の世でも、55歳定年か、その名残の役職定年で役が無くなり平に落とされて年収は激減していたのです。

60歳定年を計算に入れるのは甘いのです。東大・京大の工学部を出て大企業に勤めてもです。

 

上では35歳で25年のローンと仮定しましたが、 フラット30とか言って、30年ローンを組む人がいます。運良く60歳まで正規の役付きで定年してもまだ5年のローン残。退職金で一括返済するのでしょうか。

 

65歳まで再雇用する制度を政府は進めていますが、昨日までの部下の下でくだらない仕事を5年もやれますか?自尊心を押し殺して働けばローンくらいは払えるでしょうが辞めた途端収入は途絶えます。

 

公的老齢基礎年金は65歳まで支払われません。最大でたったの65000円です。厚生年金は60歳から支払われますが、上位100社の部長以上クラスにいた東大・京大のエリートクラスでも月に16万円前後。上記老齢基礎年金と併せても22,3万円。雀の涙です。日本の上位100社なら確実に企業年金が出ますが、基礎・厚生・企業の全部併せても30万円前後。かつて、潰れる前のJAL企業年金だけで40万円。公的年金と併せて60万円でした。で、倒産。今も電力会社はその位。東電は実質、潰れたのですが、多分OBの既得権益なので、どうなんでしょうね。

 

日本の男性の年金の平均は16万円です。JALや電力会社は例外として、自営業は老齢基礎年金(国民年金)の最大65000円だけで、かつそこそこの人数は居るので平均ってサラリーマンには無意味。東証上場企業の正規のサラリーマン平均は幾らなんでしょうね。企業年金除いても20万円くらいはあるのでは?ああ、全部月額です。

 

引用します。

男性の厚生年金は、

「平均は18万円・・・
男性は、「18万円以上~19万円未満」をピークに、その前後の人が多くなっています」

 

https://seniorguide.jp/img/sng/docs/1061/180/181223nenkin02_o.png

 

seniorguide.jp

 

終身雇用時代のサラリーマンの老齢基礎年金は、現在の最高値を貰っているでしょうから併せると、ざっと25万円。

 

一度ローンを組んで家を建てたら、数百万円の修理費は家計に響くなどというレベルではありません。下手をすると漂流老人、貧困老人になってしまいます。同レベルの収入がある奥さんがいて、世帯収入3000万円と言うのなら、楽でしょうけど。政府関係の委員会が老後資金2000万円不足と言ったのは大多数の人々にとって真実なのです。

 

で、Dr.Yは床下暖房を考えていました。この番組で採り上げられたものに近いです。

寒冷地仕様のエアコンの温風を高断熱・高気密の床下に吹き込むものです。床そのものを冷たく感じなければ良いのです。で、音風は隙間から部屋に吹き出す!

 

この家は太陽熱利用ですが、雪が降って寒い日に効かない暖房は嫌なのでエアコンにします。 

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dr-yokohamaner.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

続く。。。