中国で創られたと思われる新型コロナウィルスの話でテレビは盛り上がっています。そこでは、「ウィルスは、xxの条件で『死ぬ』」と、まるで生物であるかのような表現がされています。
そもそも、この宇宙にある物質を、生物と非生物というように二分できるものでしょうか? 物質の性質は、食卓の上にある食塩から、我々ホモ・サピエンスまでむしろ連続に、断続あるいは離散的でしょうが、存在するのであって、生物と非生物の中間にある物質があっても別に不思議ではありません。
ちょっと、その辺りの事情を覗いてみます。
下記の本では、次の4つの条件を生物の条件としています。
1.細胞がある
2.生殖して子孫を作る
3.代謝する。食べて排泄する生活ですね。
4.進化する。進化とは、変化のことで、「優れた」物に変化する事を意味しません。 ーーDr.Yはこれは必須であるとは思いません。
この↓78ページです。
同書52ページ。
生物とも無生物とも断定せず、構造を持った物質。
同書81ページ。
1990年6月発行の本ですが、2018年ノーベル医学・生理学賞の本庶教授がでてきます。どうしても、生物か無生物か、白黒つけたい人にはこの解釈が妥当かと。
一方、こちらの京都大学ウィルス研究所長だった学者は、
生物であると。
ウィルスは細胞を持たないのですが、タンパク質の衣ーーエンベロープーーを持つので、「容器」は持っています。しかし、viroidウィロイドという物質もあって、エンベロープを持たないのですね。「oid」は「もどき」。ウィルスもどきと言う所でしょう。
何が何でも白黒付けなくてもよいのでは?グレーもあるのです。白黒は、人間の作った基準であって、真理とは限らないのですから。ウィルスはウィルスで良いのです。と思いつつも、テレビでの扱いには違和感がなくもないです。
たまたま、この構造体は我々の遺伝子と同じDNAあるいは、RNAで出来ているので面倒を引き起こし、病原体になるのです。