ノコギリヤシは何に効く?

 宝石の話題のページになぜか、「サントリーノコギリヤシ」のコマーシャルがしつこく引っ付いています。ついでなので、これについても書いてみましょう。但し、経験ではないので、単なる情報です。

 老人の病気に前立腺肥大症というのがあります。そういえば、我が祖父もそうでしたし、周りのお年寄りには珍しくないくらい居ます。これは、男性ホルモンであるテストステロンが体内で変化したジヒドロテストステロン(DHT)によって引き起こされるというものです。このテストステロン→ジヒドロテストステロンの変化を抑制するのが、ノコギリヤシエキスということです。

(* その後の調査では、ノコギリヤシはテストステロン→DHTの変化を抑制するのではなく、DHTがレセプターに付くのを阻害するということです。このレセプタが、前立腺にあれば、前立腺に効くし、毛根にあれば男性型ハゲに効くということになります。そして、他にはDHTが減少することによる悪副作用を生じない可能性があり、フィナステリドより優れているかも知れません2013.4.11)

が、ざっとサントリーノコギリヤシのコマーシャルページを眺めても薬事法に触れるからでしょう、書いてありません。

 本当に前立腺肥大を抑制するのかどうか、つまりは、5αリダクターゼ様機能があるかどうかを疑う記事もありますが、長い間、民間薬として用いられている生薬は効く可能性が相当あるとDr.は思っています。

 ただ、同じ機序を実現する薬は存在しています。

 http://ja.wikipedia.org/wiki/フィナステリド

 但し、不可逆的で重篤な副作用があると報告されています。

 http://propecia2ch.doorblog.jp/archives/27715015.html

 面白い事に、男性型ハゲは、単なる男性ホルモンであるテストステロンではなく、その変化形のDHTによるもので、5αリダクターゼを使えば治るということを、数十年も前に稲葉医師が偶然の臨床例から発見していました。

http://www.rakuten.co.jp/meisyou/1897649/1897093/1920637/

「 ・薬用マルベリーニュートニックは稲葉益己博士が発見された稲葉理論(皮脂腺学説)に基づいて開発された製品です。

・脱毛には、皮脂腺が重要な働きをしています。
すなわち、皮脂腺では、5a-リクターゼと言う酵素が生成されます。この酵素がテストステロン
(男性ホルモン)と反応して、5a-DHT(5a-ジヒロドテストステロン)というホルモンに変わって、
これが毛の発生の細胞分裂を抑制するため、発毛が阻害されて、脱毛につながります。

 何年か前から、この理論が臨床的に実証されて見直されたのか、フィナステリドが男性型脱毛症の内服治療薬として使われていて、TVで頻繁にコマーシャルしていました。実際、効くようですが、いまでは副作用が問題視されていますので、要注意です。

 稲葉理論には、例によって偏狭で偏頗な教育を受けてきた似非科学者である一部の薬剤師・医師などから、何の根拠も実証もなく、異論が出されていましたが、今頃になって見直されているとは。

http://aga-news.jp/index.html

 例によって、科学になりきれない医学、薬学ですので、使用経験者からの重大な情報がネットに上がっているにもかかわらず「そういうことはない」という実証無し、根拠なしのドグマで無視されていることもあるようですが、「フィナステリド」には男性ホルモンの機能に関し、相当に重篤な肉体的、精神的な副作用があるらしいということは知っておいた方が良いでしょう。

 DHTはテストステロンの十倍だったか、男性ホルモン機能が高いということで、それが、前立腺肥大やら男性型脱毛症を惹き起すらしいのですが、これを産生させなくするということは、逆に通常の男性機能も落ちるかもしれない可能性があると考えるのは正常な推論です。また、とんでもない未知の副作用で、他の病気も治ってしまう場合もあるかも知れません。RLSと冷え症、パーロデルとリピトールの干渉みたいなものです。

 http://okwave.jp/qa/q6041440.html

 「例えば、Tetris2010さんは、フィナステリドを飲んでから、気分がすぐれないとか、塞ぎ込むようになったと言うことはないでしょうか?

実は、フィナステリドを飲んでいる人の中には、こんな症状を訴える人も比較的多いのです。10人のうち3人か4人くらいは訴えられます。精神科医は、もしかすると、このことを考慮していたのかもしれませんよね。 うつ病になったのがフィナステリドを飲み始めてからなら、・・・

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1175290476

プロペシアは職場の先輩より副作用で「性不感症」になりやすいから控えたほうがよいとの事ですが、・・・」

アメリカFDAがプロペシア1mgとプロスカー5mgに対してED症状、勃起不全、さらに射精不全を製品の注意書きに追加するようメリク社に対して正式要請を行うことを発表しました。またプロスカー5mgに対して、精子に影響を及ぼす恐れもあるという事も発表しました。

http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n84922

 というわけで、フィナステリドやその商品であるプロペシアは、前立腺肥大の予防と男性型ハゲ(AGA)に効くということです。その他、DHTは相当の悪さを人体に施すようで、薬学に知られていない良い副作用で治ってしまう症状もあるかもしれません。体のどこかに慢性炎症性の症状をもっている人は、気を付けていて頂き、効いたら報告のブログを立ち上げてもらいたいものです。

 さて、ノコギリヤシもDHTを抑制するかもしれず、しかし、フィナステリドとは異なる物質であるかも知れず、そうなら、こんな副作用はないかも知れません。ここが、総合的な生薬の弱みです。誰かが薬理的に調べてくれないとなんとも言えません。

 そんなわけで、サントリー薬事法の為に効能を書けなかったノコギリヤシの、世に言われている効能を説明しましたが、最近、こういうサプリメントの分野に入って来た企業の商品は、目の玉が飛び出す高価格になっていますね。尤も、セサミンを入れて付加価値を付けているので高いのだと企業側は言うかもしれませんが、前立腺肥大やAGAには無用の事です。近くのドラッグを覗いてみるか、DHCのホームページに行った方が真っ当な価格で入手できると思います。