宝石に中古はありません

驚いた事に、ダイヤモンドの新品、中古を気にする人がいるのですね。

http://wedding.yahoo.co.jp/manual/qa_detail/1449263794/

 

 では、「中古」とは何なのかを考えてみましょう。既に他の人が使った事?使ったってどういう事でしょうね?首にかけた?指にはめた?店で売られている宝石にその形跡がある?どうやってそれを証明する?などと考えると、高が石っころにそんな証明ができるわけがありませんね。

 新品証明書をつけているものもありますが、その証明書をどう本物と証明するのでしょう。「ダイヤモンドは永遠」、「婚約ダイヤは月給の3か月分」などダイヤにまつわる都市伝説はデビアス社の造りだしたコマーシャルでしょう。陰謀と言ってもいいかもしれません。新品の証明書もその類で、それにどんな価値があるのか不思議です。

 電気製品とか自動車とかなら明確な中古の概念があります:新品の品質を確定でき、中古品にはそこからの劣化の現象があります。

 1.使用による劣化

 2.経年変化による劣化

この痕跡は消せません。しかし、ダイヤモンドを始めとする石にはこのような事は通常起きません。エメラルドは脆いので傷があることもありますが、それは鉱山から出して、工場で磨いて、その結果、残った傷と、誰かが一度身に着けてそれで付けた傷と区別がつきません。その石は、傷を入れた評価としての価格がついているだけです。

 ただ、真珠などは柔らかいので、ナイフで傷がつくでしょう。そういうものを新品の形で売ることは普通ありませんから、中古と分かるかもしれませんね。

 いくらでも議論はできますが、一口で言えば、石っころには自動車のように使用・経年による極端な劣化がないという意味で中古の概念はありません。

 ただ、ネックレスやリングの金属部分には使用傷がつくことは普通にあるので、石ははずしてルース(裸石)にし、リングは一度溶解して作り直せば(下取りしてもらい別途新たに作るなど)、新品ですね。あなたのその18金の婚約リングは、誰かが使って廃棄したパソコンの基盤の電極メッキから採った金を集めて作った「中古」の金かもしれませんよ。それを、中古と思うのならですが。