円安?異常な円高が是正されたのです。

下記のチャートを見てください。

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-- 為替・ドル円相場の超長期チャート | 金プラチナ相場情報 Let's GOLD より引用

 サブプライムローン問題/リーマンショックという世界同時大不況前の2006年以前は1$=120円前後でした。サブプライムローン問題が明るみにでた2006年以降、安全資産である円が異常な勢いで買われて、極めて異常な円高になっていたのです。現在は、米国の経済もようやくリーマンショックから立ち直り通常のドル円為替に戻っただけなのです。円安などではありません。なお、1995年にも一瞬超円高に振れていますが、これはメキシコペソの暴落で米経済が混乱したためです。1985年の円高は、レーガン大統領の提唱で開かれたプラザ合意によるためです。「いわれなきドル高」の為に米経済は苦境にあると言うレーガン大統領の主張に沿って、欧州、日本の通貨に対してドル安に誘導したのです。

 さて、円安で原材料費が上がって苦しいと、マクドナルドや、中小国内企業は言っていますが、異常な円高で異常な輸入品安値であった時に、企業努力をせず円の高値に依存したぬるま湯経営をしてきたツケが来ているのです。円高+中国の粗悪品による安値戦略ばかりで、創造的な魅力ある製品開発を怠っていたツケ以外の何物でもありません。

 思い出してください。超円高によって起きたデフレの間、政府と日銀は拱手傍観するばかりで何の対策もしていません。企業はデフレで経営が悪化するために、給与のアップを凍結し、ボーナスを出さず、それでも足らないので大々的リストラを行っていました。ソニーの「追い出し部屋」の記事はまだ記憶に新しいものです。日本のあちこちで大工場が閉鎖され、従って、リストラが起こり、工場は東南アジアへ移転されていました。

 安売りがありがたいというのは、実は本末転倒なのです。リストラされて生活の糧を失った人たちは、円高によるデフレでリストラなどされていなければ、安売り商品など買う必要もなかったのです。つまり、円高・デフレは生活者の敵以外の何物でもありません。120円前後で、為替が落ち着いて、かつ、経済が良くなり就労状況が改善されていくことが本来期待されることなのです。しかし、そうなるにはタイムラグが2,3年はあり、その間は苦しい経済になることでしょう。