なぜ青山学院大学は自学の教授に訴えられたのか

 ニュースをビデオで見ているので、oldsになっていますが、これは珍しい話なので、考えてみたいと思います。青学が新学部を作った所、一人の教授が、無駄なものを作ったということで提訴しました。訴因はもう少し洗練されているとは思いますが、簡単に言えば上に書いたことでしょう。

 結論から先に言えば、この教授の言われることは尤もなことで、実に良心的ですが、裁判では負けるでしょう。勝ってほしいのですけど。そもそも経営が法的に問題がなければ、裁判所は大学の内紛には介入しないのではないでしょうか。法は家庭に入らずみたいなものです。最近はDV(Domestic Violence)が酷いので入ってきますが。

 私立大学は理事会という経営と、教授会という教育が分離しています。国立大学も文科省の一部局であった時代から、現在は独立した法人になり似たような構造になりましたが、それでも理事会は教育者で構成されています。しかし、私大はそうではありません。金儲けだけが(onlyです)目的の怪しげな人物が理事長になり私大を作ることは簡単にできてしまいます。群馬県にあった創造学園は理事長が詐欺罪で逮捕されて閉鎖されました。札幌の浅井学園も似たようなものです。理事長が文科省からの補助金で自宅をリフォームした事件です。

続・今時の大学生の頭の程度 - dr-yokohamanerのブログ

創造学園大学 - Wikipedia

 東京女子医大は、何人もの幼児を殺した挙句、それを公表した学長、医学部長を、理事長が更迭してしまいました。この理事長も相当に酷いものです。今は、どうなっているのでしょう。

「頸部リンパ管腫の摘出手術を受けた2歳男児が、3日後の2月21日に急性循環不全で死亡した。術後投与されたプロポフォールが原因だった可能性があり、東京都は病院への立ち入り調査を実施、警視庁は業務上過失致死容疑で捜査し、・・・中毒になった際の解毒剤がなくレスキュー手段がないため、特にメーカー添付文書では集中治療中の小児への投与を禁忌と明記している

同大医学部の非公式会見(大学側のトップの承認によるものではなく、むしろ内部対立が背景[7])および捜査結果からは、過去5年間にわたり、14歳未満の55人に63回ほど投与しており過量投与も常態化していたと発表された[8][9]。さらには同医大理事長の会見により、詳しい死因は不明ながら、同様の小児投与事例のうち12人が最短で数日後、最長3年以内に死亡していたことも公表された[10]。」

 

東京女子医大事件 - Wikipedia

 この会見は学長、学部長が行ったわけですから、上記のwikiの著者は明らかに大学のトップを学長ではなく理事長としていますね。患者の命より、金もうけを優先する人間が理事長であるとこのような事件が起きるのです。

 さて、青学の事件の提訴は、新学部が既存の学部と内容的に重複していて存在意義がないという理由でした。このこと自体は、場合によってはそれほど問題ではないかも知れません。問題は、何を学ぶのか意味不明の700を超える名称の学部が全国でどんどん新設され(あるかどうか知りませんが、例えば、国際先進想像学部のようなもの)、小学生レベルの頭脳しかない児童が大学生になってしまい、小数とか、四捨五入とか、「This is a pen」とか、多分aからzまでの英文字を大学の授業で教えることになっていることです。教授と言う教育者はこの事態に危惧を抱くでしょうが、金儲けだけが目的の理事会はそんなことはどうでも良く、学生を掻き集めることさえできればよいのです。理事会と教授会の対立は、この問題で起きることが多いのです。なんといいますか、教育者とヤクザと幼児が同じ場所で生活しているようなものですね。

 青学の事件は、この国の教育の病巣を白日の下に曝し出した事件なのです。