少子高齢化が言われて久しく、特に少子化が問題になっています。しかし、少子化は本当に日本にとって困った問題なのでしょうか?
将来人口推計をみてみましょう:
2050年には1億人割れ…日本の人口推移をグラフ化してみる(高齢社会白書:2014年)(最新) - ガベージニュース
例によって、ざっとマクロな数字を見てみましょう;
2015年:
15-59歳というほぼ働いている労働人口は6800万人。
労働人口の男は約半分として、3400万人。
男の正規労働者はその半分程度:1700万人。
年金の対象になる60歳以上の年金人口は4200万人。
つまりは、1700万人で4200万人を養っている状態なのです。
2050年: 少子化で、男の全員が正規労働と仮定します。(勿論、教育を強化して全員ホワイトカラーになれるスキルをもっているという仮定です)
男の正規労働者:1900万人。
年金人口:4000万人
となって、社会の経済の観点からは少子化でも何の問題もありません。ノースキルで無職になり、「小人閑居して不善をなす」の言葉通り、仲間を生き埋めにしたり、惨殺したりするような野獣は居なくなると言う仮定はあります。
この結論には前提があります。
18歳人口は100万人程度。
大学進学率が50%程度。
高卒労働市場は20万人程度 →30万人は無職になる(専門学校進学は無視)
大学生就職率は50%程度
大学卒の3割以上が3年以内に離職 →ほぼ再就職できず
高校卒の5割以上が3年以内に離職
戦後から1980年代までと異なり、日本にはブルーカラーの労働市場がなくなってしまった結果、このような就労状況になっているのです。
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日本は工場がアジアに出て行ってしまった結果、6割程度の人口しか労働市場が養えないのです。国内には本社の司令塔機能だけが残って、工場はアジア各国にあります。高い人件費を払って国内で肉体労働をする意味がないと企業が考えた結果でしょう。
スイスや、オランダ、スウェーデンなど、小さな国に世界的大企業があります。50年後の日本はそこを目指すことになるのではないでしょうか。