温泉は病気に効く?

 結論から言えば効きます。風呂でも同じです。温泉の成分が効くというのではなく、体を温める事が効くので風呂でも同じです。生物の体は化学反応で生きているので温度が高い方が反応が良く進むからでしょう。勿論、過ぎたるは、なお及ばざるがごとしで、何事も適当な点があります。

 病気を治す力を免疫と言います。具体的に誰でも知っているものとしては白血球があります。あれが、体に侵入してきた異物を食べてくれるので病気に罹らない、あるいは治るのですが、もっと精妙で強力な免疫物質を生体は作っていて、その活動が体が温める事によって活発になるのです。

 免疫力を高めて風邪知らずに

自分の平熱より1度下がると免疫力は3割低下し、1度上がると5~6倍アップすると言われています。

 硫黄温泉のようなアルカリ性の温泉ではアルカリが体の表面の古い角質を溶かすので、お肌スベスベ効果を期待することはできます。キッチンハイターのような強アルカリの液に触ると皮膚が溶けてヌルヌルになりますが、あれの弱い効果と考えれば良いでしょう。ハイターは次亜塩素酸ソーダですから間違っても素手で触らないことです。うっかり触るとヌルヌルが幾ら水で洗ってもとれません。お酢を薄めてこれで洗って中和する必要があります。

 最初の抗生剤であるペニシリンが本格的に実用化されたのはやっと第二次大戦後で、工業製品として安価に供給できるようになったのは、更にその後のことです。それ以前には感染症に対する薬剤はないようなもので、自分の免疫力で治すよりほかなく、それには体を温めるしかなく、しかし、家に風呂がある人や毎日風呂を沸かす経済力がある人は限られていて、温泉の湯治しか方法が無かったので、未だに温泉は健康に良いと思われているのではないでしょうか。勿論、健康に良いのですが、宿が高くなった今日では風呂で良いのであって、温泉地は遊ぶ所になりました。湯治ではなく、湯遊でしょうか。

 早くも寒い日が到来しました。風邪を引かないよう毎日風呂に入りながらの徒然に考えたことです。