お餅の焼き方は難しい

 NHKの試してガッテンっだったかで、こんなテーマをやっていました。餅はどうしても爆ぜるのですが、これをうまく制御できればあちこちにベタベタと引っ付かないというものです。

 で、餅の真ん中に一滴水を置いて焼けば、そこが弱くなるので、そこだけ爆ぜて綺麗に焼けるというものです。わが家はトースタで焼いているのですが、この方法でもうまく行きません。爆ぜて飛び出た中身の重さで餅がひっくり返って、柔らかいところが網や隣の餅についてしまうのです。

 そこで、包丁の角で餅の真ん中に五円玉の穴より一回り大きな穴を開けてそこに水を入れたのですが、やはり結果は同じ。難しいものです。

 一つには今の餅は上下に十字の切り込みが入れてあり、ここが爆ぜてしまうのです。どちらか片面だけに入れてあれば良いと思うのですが、上下両面に入れてあるので、下も爆ぜます。上だけが爆ぜる場合でも、爆ぜた中身が外に出てしまうので、周りにくっつくのですね。

 越後製菓の餅は側面に一周ぐるりと切り込みが入っていて、餅の上半分が均等に持ち上がって爆ぜないという特許があるのですが、これは特許なので他社は使えません。佐藤の切り持ちが、無断でこれを使ってしまい、当然訴えられて最高裁まで行きましたが、これも当然に佐藤が敗訴。8億円のライセンス料を取られていますので、うかつにパクれません。この訴訟の際に、十字きりは公知になってしまったので、これはどこも使えるのかも知れません。

 となると、彫刻刀の断面が90度になっている刃で自分で切り込みを入れては焼くよりほかなさそうです。しかし、机上の理屈と現実はなかなか一致しないので、どうなりますか。

 ということで、実験しました。

右から、

 ・包丁の手元の角で、側面に1周刻みをいれ、上面の真ん中に直径5mmの穴を掘り、スプーンを濡らしてほんの一滴に水を入れたもの。

 ・上面の真ん中に直径5mmの穴を掘り、スプーンを濡らしてほんの一滴に水を入れたもの。

 ・包丁の手元の角で、側面に1周刻みをいれたもの。

 オーブントースタ、1300wで6分間焼きました。

 

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数cmの間を空けたのですが、左2つは共同正犯でくっ付いてしまいました。これは、餅の中身が外に出てしまう現象で、本体の中には餅が少ししか残っていません。5分の段階では、まだくっ付いていなかったのですが、ちょっと油断した隙に、この有様です。完全に融合しているので離せません。

 結論:やれることはすべてやった、右側の餅が良い成績。

 ただ、どの餅も、底面には餅が溢れず、網を淀すことはありませんでした。

 餅を削ると、微妙な力の差で、一番弱い所が弾けます。これはどうにもなりません。