テレビ通販などで、よく「xデシベルですから大変静かなミキサーです」とかやっていますね。Dr.Yのような工学に関わるものでさえ、多くの人は実は何のことか分かっていません。つまり、50dBと言われても、??状態なんです。
デシベル(dB)を理解するのは実はそれほど難しいことではないのですが、只1点、意味不明の所があるので、音響工学とかをやっている技術者にしか本当の所は分かっていないのです。では、何を知っているべきか、何がわからないかを書き出してみましょう。
1.長さの単位は、メートル(m)、重さの単位はグラム(g)は良く知られていますが、音の大きさ(かなあ)、まあ、家庭でのお話として、大きさとしておけば、その単位は「ベル」(B)です。電話の発明者の名前に由来しています。
簡単ですね。
2.1/10は「デシ」です。1デシ・リットルは、1/10リットルのことですね。1L=10dL。同様に、1B=10dB。
ここまでは、音と関係ありません。単位の話。
3.Bという単位は、長さや重さのように絶対的(に感じているよう)な大きさではなく、基準の何倍という単位です。
ここが問題なのです。10Bと言われても、基準が何だか分からないDr.Yにはさっぱり分かりません。
音の大きさ表現は、音の大きさ/基準の音の大きさ
なんですね。で、
音の大きさ/基準の音の大きさ = 10
つまり、基準の音の大きさ(これが何かは不明のままとします)の10倍大きい音は、1ベル と言います。10倍なのになぜ、1なの?という疑問がわきます。実は、この式↓です。
音の大きさ/基準の音の大きさ = 10x
(10のx乗。このブログは、編集モードではsupマークアップが効くのですが、皆さんが見る表示モードでは無視されるようです)
このxをとって、xベル(xB)とします。
なので、
音の大きさ/基準の音の大きさ = 100
なら10の2乗なので、2ベル
音の大きさ/基準の音の大きさ = 1000
なら10の3乗なので、3ベル
です。
Bでは小さすぎて、不便なので、dBを使って、3B = 30dB
というように、数字を10倍にしているのです。
このxをことを対数と呼びましたね。高校数学です。
音の大きさ/基準の音の大きさ = 20
のように、丁度、10の乗数にならない時は、どうするんだ?高校の数学の教科書を開いて下さい。末尾に「常用対数表」があって、あらかじめ誰かが計算してくれています。
log20 です。
log20 = log(2x10) =log2+log10 = log2 + 1
くらいの基礎的公式は暗記です。log2 = 0.3。
log20 = log2 + 1 = 1.3 ですから、
音の大きさ/基準の音の大きさ = 20 → log20 B =1.3B = 13dB
となりますかね。
とここまでは、分かっても、一体、「基準」がなんなのかさっぱりわからないので、13dBが大きい音なのか、小さい音なのか、Dr.Yには分かりません。
で、ググると、こういうこと↓ですが、意味不明ですね。
「「音圧」を表す「パスカル」ですが、人が何とか聞こえる最小の音圧を「20マイクロパスカル(μPa)」と定め、音圧を比較する場合はこれを基準としてどれくらい大きいかをdB(デシベル)という単位で表現します(実際は1KHzのサイン波で計測したもの)ちなみに20μPaは1気圧の100億分の2・・・どんだけ小さいねん!」
-- dB(デシベル)って何?音圧とは?
一言で言えば、人が聞こえる最小の音を基準にしているということですね。で、その何倍であるということですが、大きな数字になるので対数をとっているのでしょう。100000000倍というのって、書きにくいでしょ。8B=80dBの方が楽です。それから、人間の感覚は対数になっているんだという事実もあります。1億倍の信号の強さを人間は8倍にしか感じないので、Bが良いらしいのです。
で、具体的な例が必要です。下記を参考にしてください。
上のサイトから要約します。これを見ますと、40dBまでは静か、60dBまでは普通。70dBから煩いとなっています。
20db
・木の葉のふれあう音
30db 1000倍です。
・郊外の深夜
・ささやき声
40db
・図書館
・静かな住宅地の昼
50db 10万倍。
・静かな事務所
・換気扇(1m)
60db
・普通の会話
・洗濯機(1m)
・テレビ(1m)
70db つまり、基準音の10000000倍=千万倍の大きさ。
・騒々しい事務所の中
・騒々しい街頭
80db
・地下鉄の車内
・電車の車内・ピアノ(1m)
90db
・犬の鳴き声(5m)
120db
・ジェット(飛行機)エンジンの近く