知能の分布と、収入の分布

高・良学歴だからと言って、必ずしも頭が良いとは限らない。なんて変な事が言われます。妬みなんでしょう。

何にでも例外はあるので東大・京大を出たからと言って必ずしも高収入ではないと言い換えるなら、変ではありません。

 

ま、【必ずしも】が有るので当たり前です。何にでも例外はあるので。

 

所で、実際、知能と、収入あるいは資産は全然異なる分布をします。知能は正規分布します。するように試験問題は作るんですけどね。適正な問題なら正規分布するのです。

正規分布とはこんな形です。

真中が平均値です。見て分かるように中央値でもあり、最頻値でもあります。だから平均値の周りに集合の多くの要素が集まります。

当然の事で、ガウスが定義したガウス分布正規分布ガウスの公理から導出されて、標準値が平均値。後は誤差です。

で、知能の分布はこんな風に正規分布に近い形になります。

以上、出典はここです。

psychologist.x0.com

 

www.eng.niigata-u.ac.jp

 

所が、収入や資産の分布は上のような形にはなりません。

上は国税庁の年収データです。

 

65歳以上世帯の貯蓄の分布です。

どちらも、低い値の所に塊が出来ていて、大きな値は細く延びています。

ボルツマン分布になります。正確には指数分布で、粒子のエネルギー分布を表すボルツマン分布はその内の一つになります。ガウス分布に対応させて人名で印象付けたくてあえてこう呼びます。

高齢者では平均値と中央値が大きく乖離しているのが上の図で分かります。

 

「70代の二人以上世帯における

平均貯蓄額は1757万円

中央値は700万円」

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」

 

この形は、調査の実データだけでなく、確率論から理論的に導かれます。指数分布です。

例えば、集合の全員が同じ金額を持っていて、偶然に出会う二人がジャンケンでお金を決められた金額だけ取り合うことにします。

十分に大きい回数それを行うと自然にこんな分布になるのです。つまり少ない人数に大金が集まり、殆どの人はお金を失い左の方に群れを成して集まるのです。何やら、投資や賭事に似ています。

 

実社会では、お金を取り合うは、地位の椅子を取り合うことに対応します。開成中や灘中に合格するという椅子。東大や京大に合格するという言う椅子。超大企業に合格するという椅子。課長の椅子。。。

 

ジャンケンではなく試験で勝つので、分布の右の方ーー少数の富裕層ーーには東大や京大卒業生という精鋭の少数が集まり、左の低所得層には低学歴、3流大卒業生の大群が群れるわけです。統計的現象ですので必ずそうなる訳では無い。多少の例外はある、という冒頭の主題も満足します。

 

rikunora.hatenablog.com

 

しっかり勉強して良い学校に行き、良い会社に入りなさいというのは、大人の知恵なんですね。