超吸水性タオルの再来

 いつだったか、もう30年も前になるのではないでしょうか、非常に吸水性の良いタオルが一時、大ブームになったことがあります。Dr.も秋葉原の雑貨屋で特価で買い込んできました。これが、実に吸水性が高く、髪を洗った後、実に重宝しました。普通のタオルではどうしても水が残り、ドライヤーをかける前に相当時間待たないといけなかったのが、拭いてすぐにかけることができました。

 それが、何を思ったのか、東京都の、技術の試験所のような所が、「実験をした所、通常のタオル以上の吸水性は認められなかった」と、実に実験方法さえ知らないとしか思えない3流の似非技術者が新聞発表してしまったのです。新聞は新聞で、iPSの森口尚史氏に関わる大誤報事件でも分かるように、複数ルートの情報収集さえせずに、それを記事にしてしまった。やんぬるかな。

 http://www.news-pj.net/topics/ikedatatsuo/20121015.html

 結果、超吸水性タオルのブームは一気に下火になり、秋葉原の店からも姿を消し、どこに行ったら買えるのかわからない状態になりました。Dr.は、一枚だけ手元に残ったそのタオルに穴があちこちに空いて使えなくなるギリギリまで使ったのでした。で、それ以後は不自由していました。今のようにネットなどない時代だったので、簡単にはどこで売っているか検索もできない時代だったですし。しかたないので、普通のタオルで拭いたあと、ティッシュペーパを2枚重ねて頭をパンパンと叩いて髪の毛に残った水を吸い取っていました。ティッシュペーパ2枚の吸水量は大したことはありませんが、吸水性はタオルよりはるかに良いので残った水分が非常によく取れるのです

 このような、企業の存亡にも関わる実験を3流似非技術者に任せ、いい加減な発表を碌に追試もしないで東京都はするべきではなかったのです。あの時の記事の記憶では、実際に体を拭く、特に洗髪後の毛髪を拭いて、乾燥度合いの感覚を調べるという官能検査を行っていなかったのです。あるいは、普通のタオルで髪を十分に拭いた後、吸水性タオルで更に拭き、その吸水量を計量する必要があったのです。勿論、この逆も行って比較する必要があります。

 ところが、3流似非技術者の行ったことは、簡単に言えば、タオルを洗面器に漬けて水を吸わせ、通常のタオルと吸水量を比較しただけだったと思います。当然、複数メーカのものを検査する必要もあります。3流似非技術者が検査したのは不良メーカのインチキコピー製品だったかもしれないからです。それに関する報道もなかったと記憶しています。

 これには、当時、Dr.は驚きを通り越して、あまりのバカさ加減に憤怒を覚えたことを記憶しています。3流似非技術者は自分で使いもせずに、吸水性は変わらないという烙印をおしたわけです。考えて見れば、すぐ分かると思いますが、吸水量と、吸水性は、上に書いたように全然違う概念なのです。日本語の意味も理解していなかったというわけです。

 Dr.は通常のタオルで髪を拭いたあと、どうしても残る水気をくだんのタオルでふき取っていたのです。百歩譲って、吸水量は通常のタオルと大した変わりはないとしても、わずかに残った水分を根こそぎ吸水して髪を素早く乾かしてくれたのです。まったく、当時の東京都は、そんな概念の区別もできない3流の似非技術者を税金で雇っていたのでした。

 あの発表の後、タオルを作っている零細企業は困ったことになったはずです。

 ところで、また、超吸水タオルが現れたようです。いや、もっと前から有ったかも知れませんが、Dr.は諦めていたので調べていませんでした。

http://airkaol.jp/#lineup

から購入した所、満足した結果でした。

 あの似非技術者ももういい歳になっていると思いますが、是非、これを使ってみて、実験の方法論をきちんとした大学で学び直してから物を言ってもらいたいと思います。