がんの免疫療法について

2017.6.23 BS12 がん治療~ここまで来た免疫細胞治療~

この時点で実にうまく纏められていました。ただ、この番組の監修者も、金沢大学の臨床の紹介が主体で、京都大学本庶特別教授のノーベル賞を予測できておらず、スイと通り過ぎていました。Dr.Yもこの説明ではまったく重要性がわかりませんでした。

 

で、本題。免疫細胞がガンを叩くための療法です。

 1.ガン細胞を認識し、これを攻撃する。

 2.ガン細胞の防御を無効化する。

 

1.の為に、ガン細胞の特徴(抗原)を見つけ、それを攻撃するT細胞を培養する。

2.の為に、T細胞を無効化する(T細胞のブレーキを踏む)手段をガン細胞から奪う。

1.が誰によってなされたのかは、番組では言及がなく、下記参考文献によれば、1991年頃、抗原がみつかったということです。

ーー 免疫細胞療法、後藤重則 他、日本補完代替医療学会誌 第 1 巻 第 1 号 2004 年 2 月:85–93. 

 

これらしい。
「1991年にBoon博士らにより初のがん拒絶抗原のMAGE遺伝子が同定されて」ーー北九州・福岡のがん治療 産業医科大学第2外科 | 研究実績

 

これを使った免疫療法を開発したのがカナダのスタインマン博士。

 

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 ーーBS12

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 ーーBS12 樹状細胞は抗原を見つけ出す、言わば、斥候兵。この情報を受け攻撃するのがT細胞。

 

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 ーーBS12 ガン細胞を攻撃する能力をもつT細胞を培養して増やす。

ところが、ガン細胞はT細胞を無力にする能力があり、この療法も効き目が薄い。このガン細胞の能力を無効にする方法が本庶教授の発見

 

 PD-1がT細胞を無力にするブレーキ、PDL-1がそれを踏む足。本庶特別教授の発見。

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ーーBS12

 

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 ーーBS12 ガン細胞の防御を無効化する。T細胞についているブレーキを隠す。これも、本庶特別教授の発見。

 

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ーー地デジ6 2018.10.2 ビビット

 

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 ーー地デジ6 

 

 「

1991年 ヒトがん抗原同定(Thierry Boon)
1992年 免疫チェックポイント分子PD-1遺伝子同定(本庶佑ら)
1995年 免疫チェックポイント分子CTLA-4の免疫抑制機構同定(James P. Allison)
1996年 CTLA-4抑制による抗腫瘍効果を発見(James P. Allison)
2000年 米・抗CTLA-4抗体イピリムマブ臨床試験開始
2002年 免疫編集・免疫逃避機構の解明(Schreiber RD)
2006年 米・抗PD-1抗体ニボルマブ臨床試験開始
2008年 日・ニボルマブ臨床試験開始
2011年 2012年 米・イピリムマブ承認(悪性黒色腫)米・ニボルマブ第Ⅰ相臨床試験結果発表
2014年 日米・ニボルマブ承認(悪性黒色腫
2015年 日・ニボルマブ適応拡大(非小細胞肺がん)日・イピリムマブ承認(悪性黒色腫
2016年 日・ニボルマブ適応拡大(腎細胞がん、ホジキンリンパ腫)日・ペムブロリズマブ承認(悪性黒色腫、非小細胞肺がん)
2017年 ニボルマブ適応拡大(頭頸部がん)」

 ーーhttps://www.ultmarc.co.jp/solution/corporate_services/credentials/toku.pdf

 

 

「  1991年の Boon らによるメラノーマ抗原 MAGE の同定により」

ーー http://www.senri-life.or.jp/seminar/20151125_semi/20151125_02.pdf