原油暴落、ルーブル暴落の中でのプーチンの強気

 これは当然の態度でしょう。第1次世界大戦の後、列強はドイツを苛め続け、ヒットラーを生みました。第二次世界大戦でも連合国はABCD包囲陣で日本を苛め続け日本軍部を生みました。国家のレベルですと、なかなか弱気にはなれません。それは失脚を意味するからです。

 ロシアの歴史を紐解けば、少数の地主である貴族と、そこで働く無教養な農奴からなっていました。ロマノフ王朝ボルシェビキによって倒されソ連が生まれましたが、ロマノフ王朝の代わりに共産党が「帝位」についただけで無教養の農奴の子孫である一般大衆と共産党の貴族という構図になっただけです。そして、共産党が倒れ現在の「プーチン王朝」になっただけのことです。プーチン王朝はばらまきと対外的強気によって成り立っています。典型的なポピュリズムです。無教養な一般大衆は対外的強気に、ヒットラのドイツ民衆のように快哉を叫びます。

 そんな中で、プーチンが「申し訳ない。私が間違っていた。クリミヤはウクライナに返還する。東ウクライナからも(居ないことになっている)ロシア軍を撤退させる。頼むから、制裁は解いててほしい」などと言ったら、無教養を源泉とするナショナリズムの嵐に吹き飛ばされてしまうでしょう。

 プーチンを痛めつけ、ロシアを屈服させるのも良いかもしれませんが、窮鼠却って猫を噛む(最初の変換は「旧ソ却って猫を噛む」でした)ので、そこそこにしておく方策が必要でしょう。