「実はエアコンメーカーは想定している住宅のスペックを相当低く見積もっています。エアコンの能力を算定するときに用いる規格JIS C 9612によると、木造戸建ての南向きの洋室における暖房負荷はなんと265w/㎡とされています!!
つまり265w×9.93㎡(6畳)=2631.45w=2.63kw
なので2.5kwのエアコンは6畳くらいまで暖房できますよ!としています。
ではこの暖房負荷265w/㎡とはどんな住宅かというと、一切断熱を行っていない住宅なのです。
日本の住宅はほんの数十年前まで断熱など行っていませんでした。
国土交通省の既存住宅(住宅ストック)の現況調査によると約4割の住宅が無断熱です。エアコンメーカーはこの4割の住宅のスペックに合わせてエアコンの能力を推奨値としてカタログに書いています。」
畳数ではなく家の性能・間取りに合わせて選ぶ
エアコンを選ぶ際、畳数表示を参考にしていくと思いますが、実は部屋の畳数と同じものや畳数よりも大きいものを選ぶ必要はありません。
そもそも畳数表示はグラスウールが出回りはじめた1964年頃に、断熱材がほぼ使用されていないような住宅へ設置することを前提に考えられた基準です。
現在建てられているような一定の性能がある家に畳数通りのエアコンを付けてしまうと、オーバースペックとなり冷暖房効率が悪くなってしまうケースがあります。
また、畳数に合わせて各部屋にエアコンを設置しなくても、C値1.0㎠/㎡を下回る性能のある家では、基本的に6畳用のエアコン1台で家中の冷暖房をまかなえます。
そのため畳数で選ぶのではなく、家の性能や間取りから適切な容量のエアコンを選ぶことが重要です。