新型ウツ病

 ある人事担当の知人が、先日新型ウツ病の講演を聞いてきましたと言っていました。なんですか、それ?と聞いた所、最近、ウツ病のような新人が多く入社してくる。本物のウツは几帳面な真面目な人がかかるので、自分では決してうつ病だとは言いません。そういって、責任回避をすることをしないのです。だから、「頑張れ」は彼らには禁句で、頑張れない症状なのに頑張れと言われると責任を感じて自殺してしまうからです。

 しかし、新型うつ病はそうではありません。彼らは自らウツ病を宣言するのです。そして、頑張れというと、そういう事を言うから自分はウツになるのだと反駁します。ということです。

 これはだからと言って彼らがズルイのでも、怠け者でもないのです。本当にウツ的な前駆症状を持っているのです。これを更に責めると、本物のうつ病になってしまうのでしょうが、ちょっと大元の性格が違う気もします。本物のうつ病患者は責任感が強くて几帳面だということですが、新型ウツ病患者には必ずしもその兆候はないかもしれません。しかしながら、何もできなくなる、鬱っぽい感情障害が出るということに違いはないようです。

 どのみち、このような感情障害は脳内の神経伝達物質セロトニンドーパミン、場合によってはアドレナリン、テストステロンのようなホルモンの分泌異常でしょう。本物のうつ病とは、分泌異常の形態が微妙に違うのではないでしょうか。分泌の微妙な異常というものはまだまだ現代医学ではまともに直せないようで、なんともはや致し方がないようです。