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株式投資の非勧め


日本株2万円超えと大暴落の前兆」などというスキャンダラスな広告がYahoo!のサイトに出ます。その内容を検証してみましょう。この広告は「株の学校ドットコム」のものです。

 まずは冒頭です:
「 2013年の日経平均は1万604円50銭で始まり、アベノミクス効果で1万5942円60銭まで上昇をした5月23日に前日比1143円28銭安の戦後11番目の大暴落が起こりました。」
 -- http://www.kabunogakkou.com/ld/news/newsc2014.php?code=t001s1ekn&gclid=CJjS8qPO_sMCFUEDvAodrUsA-A

 これは事実です。ただ、こういう暴落は怖くありません。経済・金融の国家的、あるいは国際的な構造的原因で起きているわけではないからです。政府が利率をむやみに上げるとか、インフレ退治を目的にした増税法を作ったとかではない、一過的な金融的ボヤにすぎません。小さなヘッジファンドが潰れたとか、換金のための株売りとかにすぎないので、すぐにファンダメンタルズが示す方向に自律的に戻っていきます。

 2013年5月の

日本株急落「5.23ショック」の“主犯”はヘッジファンドだった

1月以降の日本株投資で平均15%以上の利益を蓄積していたヘッジファンドは、6月決算に向けた利益確定売りの時期を探っていた。』

世界株安の原因 - dr-yokohamanerのブログ

 2013年5月の5.23ショックでは、アベノミクスによる上げ基調がファンダメンタルズですので、6月には戻り始めました。

f:id:dr-yokohamaner:20150226125906p:plain

 -- yahoo! より引用。

 ところが下記のようなことが起きていたのですね:
「暴落以降は方向感のない相場が続き、買っては下落、売っては上昇と損を積み重ねてしまっているか、相場のトレンドの行方をただただ見つめてしまっている人も多かったではないでしょうか。」
 -- 上記「株の学校」より。 以下、「」内は同様の引用。

 こんな人が「多い」のでしょうか??不可思議としか言いようがありません。

 上の2013~2014年の2年間の日経平均のチャートを見てください。自律調整の「さざ波」とちょっとした金融ボヤを含みつつ一気呵成に直線的に上げています。赤い13週移動平均線を見ればさざ波やボヤは消えるのでもっとはっきりと上昇基調が見えるでしょう。個別銘柄を下手に買っていると株の学校の言うような事も起きるかもしれません。そのような人は、株は無理なので財産を減らしたくなければ止めた方が良いでしょう。

 

100%未来が分かるなんてことはまずありません。
    ・・・
とはいえ、では、2014年の相場状況に対して何も考えが無いのかと言われるとそれは全く別です。 トレードには仮説がとても重要です。」

 実に良い事を言っています。いやしくもリスクを犯して投資をしようと言う人なら余りにも当然のことです。

 

「では、私の考えるシナリオについてです。
基本的には2014年は上昇相場が続くと考えています。
   ・・・
大きく上昇する可能性がある一方その分大きな下落があるかもしれません
   ・・・
また、上昇しないというシナリオももちろんあります

 これも当然ですね。上がるかも知れないし、下がるかも知れない、上がらないかもしれない。
 すべての可能性を考えておかなければなりません。それぞれの場合に対する原因が書かれています。読む前に自分で考えて正解の人は株をやる資質があるかも知れませんが、まるで分からない人は損するだけの為に株をやることになります。

「下落相場にも常に備えておくことです。つまり、少なくとも空売りをするための準備をしておくということです。」

 職業投資家でない個人はこんな事はしてはいけません空売りは借金なんですから。株に絶対はありません。あくまで人事を尽くして天命を待つビジネスです。運を天に任せて借金すれば破産の危険性があります。プロというと、なんだか株上手な名人というイメージがありますが、そういう人は地球上にはいませんので、職業投資家と言っておきましょう。単なるサラリーマンです。彼らは一定期間で業績を上げる必要があるので空売りもしなければなりませんが、個人投資家にはその必要はありません

 下げ相場でも買いで勝つ方法はありますが、難しいので、一番良いのは寝ていることです。3年も寝ていれば上げ相場になってきます。焦ってはいけません。家康の心境ですね。鳴かぬなら、鳴くまで待とうホトトギス。あるいは、人生は重荷を背負いて、長き道を行くが如し。

相場の調整や下落局面をチャンスに変えることが出来るのがトレーダーであるあなたの強みといえます。・・・素人の個人投資家は、上げ相場にしか勝つことができませんが、本来トレードは上げでも下げでも、どちらの相場でも利益を出す事が出来ます。
   ・・・
世間では、下降相場は危険とされていますが、本質を知るトレーダーであるあなたにとってはチャンスとなるわけです

 こんな甘言に乗ってはいけません

 プロを自称する職業投資家のトレーダで個人的に成功した人;独立して10億円以上の個人資産を築いた人がどれだけあるでしょうか。ほとんどいないでしょう。それどころか会社をつぶしてしまったトレーダの方が多いかもしれません。

 この表現でうまく逃げているのが「本来」を入れていることでしょう。本来勝てるはずなのに、下手にやるから負けてしまうのだと、言いたいのでしょうか。新興宗教みたいなもので、願えば叶うと言いながら、叶わないと言うと、まだ信心が足りないからだ!似たような表現ですね。

 結論として、スキャンダラスな見出しの割に、言っている事は実に正統的なことで、ほぼ問題はありません。ただ、「大暴落の予兆」は何も具体的記述はありませんでした。今はそんな予兆はないから当然です。FRBが利率を上げる時がひとつの要でしょうが、イエレン女史は賢い人のようなので、悪いサプライズのないようにやることでしょう。後はギリシャ問題とウクライナ問題。予兆とも言えない、見えている「問題」です。

 勉強したい人は入会しても良いでしょうが、そもそも、この程度の事を自分の頭で考えられない人には、いくら株の学校に入っても、株は無理でしょう。

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