むずむず脚症候群を直す

 かつては、といいますか、2010年までは正式病名がなく、俗に「むずむず脚症候群」と呼ばれていました。Restless Legs Syndromeを略してRLSとも呼ばれていました。今は正式病名ができ「下肢静止不能症候群」です。

 詳しくは、下記をご参照ください。

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%80%E3%81%9A%E3%82%80%E3%81%9A%E8%84%9A%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4

 http://www.nikkei.com/article/DGXDZO49849250R21C12A2EL1P01/

 この病気、医者も知らない人が多いですね。睡眠障害専門医でさえ知らない。Webサイトに「むずむず脚の専門家」のような事を書いているにも拘らず、遠路はるばるその医院を尋ねた所、そんな病気は知らないとぬけぬけと宣った老医師もいました。

 ここは首都圏です。その首都圏の大・大学病院の精神神経科の医者さえ知らないのには呆れました。さすがに、病名程度は知っていましたが、どういうものかは知らないことは私との会話から明らかなのです。尤も、これを病気と自覚する患者が少なく、来院する患者が数えるほどしかおらず、症例を積めないので仕方ないことかも知れません。何しろ、厚労省が正式な病気と認識し、保険適用を認めたのがやっと2010年なのです。

 「国内では、2010年1月、「ビ・シフロール」のRLSへの保険適用が承認された。」--Wikiより引用

 ということで、首都圏にはこの病気の名医はいないらしく、大阪の堺の阪南病院まで行かなくてはなりません。さすがに、それは辛いので、独学するしかありません。

 経験的に分かったことは、RLSには2種の原因があり、この2種を間違えて投薬すると、効かないどころか気が狂うくらい気持ちの悪い思いをするということです。何しろ、大脳に働きかける薬剤ですから。丁度、高血圧の人に降圧剤ではなく、血圧を上げる薬を飲ませるようなものです。精神に関わるので、麻薬みたいな症状になると言った方が分かりやすいでしょうか。こういうのも向精神薬というのかどうか知りませんが、似たようなものでしょう。

 1.てんかんと類似原因

 2.パーキンソン病と類似原因

 このことは、知ってか知らずか、上記Wikiにも書いてあります:

 「RLSの異常感覚は、薬物治療で軽快する場合が多い。とりわけドーパミン神経の機能を高める薬である「L-DOPA製剤」や「ドーパミン受容体刺激薬」がRLSによい効果があることは、これまでの研究や臨床経験から知られている。また抗けいれん薬(クロナゼパム・バルプロ酸など)も効果が見られる。」

 患者と、経験の少ない医師のためには、もっと明示的に書いた方が良いと思います。

 てんかんは神経の異常発火が原因、パーキンソン病ドーパミン伝達異常が原因と、まるで原因が異なります。これを知らない医者が目の前にいる患者のタイプに関係なく適当に知っている薬を出すと、向精神薬的異常症状があらわれてしまい、もう、大変な思いをするらしいのです。一度、何も知らない医者にてんかん薬のクロナゼパムを投与されて気が変になる体験をしました(私ではありませんが、傍らで見ていました)。それはそうでしょう。正常な神経系の発火を抑制してしまったのですから、当然、精神に異常をきたします上記、2.が原因でRLSになっている患者に絶対に「てんかん」系の薬を与えてはいけません

 パーキンソン病では、ドーパミンのシナプス部での伝達がうまく行かないことが原因らしく、この原因はドーパミン分泌不足かもしれません。かと言って、どうもそういう人にドーパミンを無理やり絞り出す薬を投与すると、却ってその器官が壊れて重症になってしまうということで、普通はドーパミンを受ける側を活性化する薬を飲みます。ドーパミン受容体作動薬というものものしい名前が付いていますが、パーロデルという商品です。言うまでもなくパーキンソン病の薬です。但し、これは、大量・長期服用すると心臓弁膜症を発症する危険性があるということです。それで、ビ・シフロールが使われることもありますが、類似機序の薬剤だからと言って、患者に同様の効果があるとは向精神薬(類似薬?)である限り保証はありません。人によって効き方がまちまちなのです。医学は、こういう点でも科学になっていないのですね。科学にとって必須である普遍性再現性が保証されないのです。

 さて、パーロデルには精神的副作用もあります。まず、感じたのは大脳の論理的思考回路の働きが抑制されるらしいことです。簡単に言えば、馬鹿になったような症状が現れます。推論ができない、従って、比喩を理解しにくい、冗談が通じない、記憶力が落ちる、などなどです。かなり明瞭に出ますから観察していれば分かります。

 パーロデルが肉体的、精神的な副作用を持つなら、何か他の方法はないか?ビ・シフロールは気が変になりそうで使えない。となると、緩やかに、穏やかにドーパミンを増やす方法しかない。そうです、生薬です。お茶の成分であり、アミノ酸であるテアニンがあります。

 「テアニンはリラックス効果と安眠を助ける他、血圧を下げ、過食や過剰な脂肪蓄積を抑制も報告されているスーパーアミノ酸です。 テアニンは緑茶に含まれるアミノ酸の一種で、高級茶ほど多く含まれることから、うまみ成分とも言われており、実際にうまみ成分として知られているグルタミン酸と化学構造が似ています。」

http://www.suppleclub.com/BV/shouhin/411001.html

 「テアニンは人体内では、脳障壁を通過することができます。そして脳内ではドーパミンGABAガンマアミノ酪酸)の量を増やす働きがあることが分かっています。またカフェイン等によってもたらされる、刺激性、焦燥性を抑える力も持つとされています。」

 --http://item.rakuten.co.jp/harmony/396/

「こんな人は専門家に相談を!

●妊産婦

抗がん剤治療中の人」

 -- http://eiyo-navi.com/encyclopedia/tnn.htm

 DHCでそこそこの価格で売っています:

http://www.dhc.co.jp/goods/goodsdetail.jsp?gCode=2218&sc_cid=ls_gl_health_004626&re_adpcnt=7qb_3GI3

 これを睡眠前に飲む事で、パーロデルの使用が劇的に抑制できています。但し、血圧には注意していてください。上記には、低くなるとかいてあるのですが、高くなる人もいるかもしれないからです。 もしテアニンがMAO阻害効果でドーパミンを増やすのなら、チーズ、レバー、ワイン、ビールやその酵母などイースト製品、などは厳禁となりますが、残念ながら、テアニンがドーパミンを増やす機序は見つけられないままです。

 MAO阻害剤について:「脳内のドーパミンなどの物質を増やす作用をする薬剤の総称」

 --http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E9%85%B8%E5%8C%96%E9%85%B5%E7%B4%A0%E9%98%BB%E5%AE%B3%E8%96%AC

 重要な補遺

 冷え症が治る:RLSの為に脚が冷えることがあるようです。所謂、冷え症的症状で、ふくらはぎに氷の棒が入っているようだというほどにふくらはぎが冷えるとのことです。この原因がRLSだとは夢にも気づかず、血行の悪さを疑って、ビタミンE,EPA/DHAなどの血行改善サプリメントを飲んでいたのですが、まったく効果がありません。この冷えは、実態的な冷えで本当に脚が冷たいのです。単なる冷感ではありません。

 ところが、パーロデルを飲み始めたところ、脚の冷えが嘘のように消えてしまったのです

 いびきが治る:鼻・咽喉には何の異常もなくいびきをかく理由がない場合、RLSが治ると同時にいびきも治る可能性があります。理由はわかりませんが、とにかく治ってしまいました。

 他の薬との飲み合わせ:製薬会社も知らない飲み合わせに、高コレステロール血症治療薬のリピトールと拮抗して、パーロデルの効果が無くなります。これはDr.の発見です。両方ともに夜に服用する薬なので少し困りますが、仕方ないのでリピトールを早めに飲みます。これでも体内で有効時間が重なると思うのですが、とにかく、数時間の時間を置くことで何とかしのいでいます。

 このお医者さんは大変謙虚な方でしたので、この事を告げると直ぐに分厚いマニュアルをペラペラと捲って調べていましたが、何も書いてないそうです。当然のことで、何万種もある全薬の組合せの相互作用なんて組合せ的爆発を起こすので、製薬会社も予め調べられるわけがないのです。

 もう一つ、一般の医者が気づいていないかも知れないRLSの特性として、「RLSの結果として不眠症になる」と思われていますが、そうではないかも知れないことです。RLSの症状が出るのは、居眠り、生寝、など半端な眠りの時なのです。熟睡している時は出ません。これは、RLSの発症機序を考える上で重要な点だと思います。結果と原因が逆かもしれないのです。