今の株高はいつまで続くか

 今の株高はいつまで続くでしょう。それは誰にもわかりませんが、少なくとも、政府が政策として何かのバブルを潰しにかかるまでは保つでしょう。前回のブログで、暴落のメカニズムを書きましたが、ちょっとデータで見てみます。1991年3月に始まった不動産バブル崩壊に連れる株式市場の暴落は、政府・日銀の下記のタイミングによる施策によって現出したのです。


株式市場崩壊開始;  1991.3~
不動産への総量規制 1990.3
地価税法       1991.5 

その他諸々の施策

公定歩合 
1989.5 2.50% → 3.25%
1989.10 3.25% → 3.75%
1989.12 3.75% → 4.25%
1990.3 4.25% → 5.25%
1990.8 5.25% → 6.0%

 リーマンショックもリーマンは救済しないという明確な政府の意思で起きました。

今の政府にはそのような負の意図はなく、むしろ、株式市場が立ち直ってほしいという意思が強固に表れています。さて、何時、政府がその思いを変えるか、その時、上記のような政策に明確な指標がでますので、さっさと持ち株は売ってしまうことになります。

 株は、政府・中銀の意思とは関係なく下がる場合もありますが、それで株式市場の崩壊は起きません。市場参加者はそこで稼いでいるわけですから自分たちの稼ぎ場を壊すなどということは絶対にしません。一時的に下げてもすぐに戻ります。政府による崩壊の場合、際限なく下げてゆき、戻るまでに4,5年かかります。

 利益の確定による売りでは、下げることに意義はなく、当然、売り側は高値で売りたいわけなので、大した下げにはなりません。空売りは下げてから買い戻す事が目的なので、弱気市場の場合はそこそこ下がります。先月の下げはそれによるもので、日経平均で1000-2000円は、狼狽売りを誘いこむ事に成功すれば下がるでしょう。が、下げっぱなしでは空売り連中も儲かりませんから、その後に上げが来て株価は戻っていきます。地域紛争による下げも似たようなもので、狼狽筋が売り始めて多少は下がりますが、戻っていきます。世界大戦になったら、それは地域紛争ではないので別ですが。シリア、イラクウクライナ問題を見ていればわかるでしょう。ギリシャ、スペインなどのデフォールト問題は、欧米日の金融機関が大量に貸し付けていて、コンチネンタル・イリノイのように破産する銀行が多数でるのでなければ、地域紛争と同じ程度の影響で済むでしょう。2013.5月の下げがそれでした。1,2のヘッジファンドの閉鎖による換金下げです。限定的でした。

 ところで、職業投資家は、損切を行います。時に、素人はこれを行わないので負けるようなことが言われますが、Dr.は損切など行ったことはありません。信用取引のような借金で投資をすると、期限を切って借金を返さなければならないので損切して損害を最小限に抑えると言うことになるのですが、そもそも、損をするために投資をしているわけではないので、前提が間違っています。借金はしない。これなら損切する必要がないので損は発生しません。損切する癖がつくと、高い時に買って、安い時に売る罠にはまります。今が底値圏で買い時と思って買ったらすぐに下がり始めた。狼狽して損切したら、すぐに上げ始めた。こんなところでしょうか。倒産しないであろう優良銘柄を、タイミングを選んで、中長期戦略で買えば、損のしようがありません。タイミングとは上記した崩壊のタイミングです。長期保有は倒産する確率の低い銘柄が前提です。マクドナルドやゼンショーはどうなんでしょう?トヨタや日立に比べてですが。この戦略は一攫千金を半年や1年で狙う人には不向きでしょうね。

 職業投資家は、また、上がっている株は売らない、とも聞きます。売ったら、再度、その資金で何かを買うことになるのです。だったら、売らずに持っていた方が確実です。何しろ、上がっている株なのですから。この意見は参考になります。少し上がると「ヤレヤレの売り」をしてしまい、大した利益をださない人に対する戒めです。