デジタルテレビの儚さ

 昨夜は久しぶりに「レッドオクトーバを追え」をやっていたので録画設定しました。日立です。何がおきたのか、2分で終了していました。三菱もよくす抜けて失敗します。パナソニックはそういうことはなかったのですが、本体が先に逝きました。レコーダーも、この5年で5台くらい昇天しました。別に過酷な使い方をしているわけではないのですが。問題は昇天したレコーダーで録画した動画は暗号化のため他のレコーダーでは再生できないことです。テレビ機器業界が不振になっているのは、後進国による安売りだけではない気がします。業界の消費者の利便性無視の体質が大きいのではないかと思います。

 そもそも、テレビをつけてすぐに録画ボタンをおすと「ディスクを認識していません」と来ます。どういう意味かどれだけの人がわかっていると思ってこういうメッセージを出しているのでしょうか。何も考えていないのでしょう。何も考えない技術者ほど怖いものはありません。アナログ技術の時代にはこういうおかしなメッセージが出ることはありませんでした。

 このメッセージはテレビのハードではなく、OSと呼ばれる基本ソフトが出しているのです。コンピュータは、頭脳部分に手足となる色々な周辺装置をもっています。キーボードやマウス、モニターやフラッシュメモリー。何がつけられるのか、はずされるのかわからないので、OSは起動時にその点呼をとるのです。付いていることを確認することが、認識です。

 テレビの設計者諸君、君たちはテレビもコンピュータを使っている。だからどこかからライセンスしてきたOSを使っている。だから認識プロセスがあるのは普通のことだ、認識に時間がかかるのは仕方ない。ライセンスものだから、自分達には手をいれられない。自分達の責任ではない。各社、同じだからそれでいいのだ。そう考えているんだろうね。

 テレビに使われている周辺装置など限られているのだから、一般プロセスとしての認識過程など省いて、直打ちすることだって考えてよいと思うのですが、もう、思考停止した製品を世に出し、結果、差別化ができず、後進国に追い上げられ、ますます独自技術を開発する余裕がなくなって、撤退を始めているのがこの業界なのでしょう。まだ構造的原因は他にもあるのですが、とりあえずこんなところで。