ヤマザキパンはやめました:臭素酸カリウム添加

なぜ止めたか? 

人間の誤動作をシステムが正して事故に至らせない、という工学の根本思想を知らないからです。これは驚くべきことです

まあ、ヤマザキ程度の企業にはそんなに優秀な技術者、経営者は居ないからとはいえますが。。。

 

我々は、こう言っています。ソフトウェアはハードウェアに比べると信頼性がない。大規模ソフトウェアのバグは取れないしかし、それよりもっと当てにならないのがヒューマンウェア、つまり人間だ、と。

人間は誤るもの。誤っても、精々システム停止に至るくらいで事故にはならないようにシステムは設計しないといけません。fail safeの思想です。其れなのに、ヤマザキは人間の注意力に頼って危険な毒物質を食品に使うと宣言したのです。

 

「このたび当社では、食品衛生法の定める使用基準に準じて、角型食パンに小麦粉改良剤の臭素酸カリウムを使用し、更なる品質改善とおいしさの向上に取り組むことといたしました。」

山崎製パン | 小麦粉改良剤「臭素酸カリウム」による角型食パンの品質改良について

 

 

ja.m.wikipedia.org

 

 「臭素酸カリウムの食品への使用は、EU・カナダ・ナイジェリア・ブラジル[15]・ペルー・その他いくつかの国で禁止されている。2001年にはスリランカで禁止され[16]メルコスール諸国では2003年に禁止され[1]、2005年には中国で禁止された[1]。」

 

あの出鱈目な中国でさえ禁止しているのです。

 米国では、馬鹿なことにFDAが判断を誤り、今更禁止できず、「その代わりに、1991年にFDAは製パン業に対して自主的に使用を中止するよう訴えている」んだそうです。そう、人間は誤る動物なのです。

 

 

東京電力が、経営陣の判断の誤りで福島の原発の大事故を起こしたのは、まだ記憶に新しいどころか、解決さえ出来ていません。

 

  人間は誤る生き物なのです

その人間の注意力に頼って危険な事をしてはいけません。

 


カネミ
「福岡県北九州市小倉北区(事件発生当時は小倉区)にあるカネミ倉庫株式会社で作られた食用油(こめ油・米糠油)[2]「カネミライスオイル」の製造過程で、脱臭のために熱媒体として使用されていたPCB(ポリ塩化ビフェニル)が、配管作業ミスで配管部から漏れて混入し、これが加熱されてダイオキシンに変化した。このダイオキシンを油を通して摂取した人々に、顔面などへの色素沈着や塩素挫瘡(クロロアクネ)など肌の異常、頭痛、手足のしびれ、肝機能障害などを引き起こした。」

カネミ油症事件 - Wikipedia

 

Wikiは淡々と書いていますが、これがどんな悲惨な症状を引き起こしたかは別のサイトを見てください。

 

森永ヒ素ミルク中毒事件

「1955年6月頃から主に西日本を中心として起きた、ヒ素の混入した森永乳業製の粉ミルクを飲用した乳幼児に多数の死者・中毒患者を出した毒物混入事件である。森永ヒ素ミルク事件(森永砒素ミルク事件、もりながヒそミルクじけん)とも呼ばれる

 
森永乳業は、1953年頃から全国の工場で酸化の進んだ乳製品の凝固を防ぎ溶解度を高めるための安定剤として、第二燐酸ソーダ(Na2HPO4)を粉ミルクに添加していた。試験段階では純度の高い試薬1級の製品を使用していたものの、本格導入時には安価であるという理由から純度の低い工業用に切り替えられていた

1955年に徳島工場(徳島県名西郡石井町)が製造した缶入り粉ミルク(代用乳)「森永ドライミルク」(製造所コード「MF」の刻印がある缶)の製造過程で用いられた「第二燐酸ソーダ」に多量のヒ素が含まれていたため、これを飲んだ1万3千名もの乳児がヒ素中毒になり、130名以上の中毒による死亡者も出た。」

森永ヒ素ミルク中毒事件 - Wikipedia

 

 あの有名なアポロ13号の爆発事故も設計変更に伴う人間の誤りでした。

 

アポロ1号に至っては、設計時から殺人マシーンと言ってよい代物でした。

室内を100%酸素で満たすなんて、誰が考えてもアホでしょう。

「出火の直接の原因は究明されることはなかったが、飛行士の生命を奪った要因は、初期型アポロ司令船の設計および構造における広範囲な致命的な欠陥に起因するものであるとされた。」

 

アポロ1号 - Wikipedia

 

www.gizmodo.jp

 

わざわざこう言うことをしたわけではありません。ちょっとした不注意、慢心、無知から必然的に起きてしまうのです。この場合、ヤマザキがとるべきfail safeの施策は臭素酸カリのような毒物は工場敷地にいれない、です。どこのバカが誤って小麦粉に混ぜてしまうか予断をゆるしません。まして況んや、自ら進んでパンに混ぜるとは、あり得ないことです。増上慢の極致でしょう。 

  

ja.m.wikipedia.org

 

 

災害とは,物体,物質,人間または放射線の作用または反作用によって,人間の傷害またはその可能性を生ずるような、予想外の,しかも抑制されない事象である。」 --H. W. ハインリッヒ