不眠を考える

 睡眠するためには、睡眠中枢を働かせ、覚醒中枢を抑制する必要があります。この両方ができないと寝られません。人間の脳の松果体からは睡眠ホルモンのメラトニンが出ますが、これが高齢になり出にくくなると寝られなくなります。海外旅行の時差ぼけで寝付きにくい時、よくメラトニン錠剤にお世話になりましたが、明日ゴルフに行くと言ったちょっと興奮している時には全然効かない経験をしています。メラトニンは睡眠中枢に働いて睡眠させようとするのですが、楽しさで覚醒中枢が興奮状態にあるとメラトニンを飲んでも寝られないのです。ということは、自分の不眠がどちらのタイプなのかを見極める必要があります。

 睡眠のための薬や、サプリメントには3つの型があります。

1.睡眠中枢を活性化して睡眠させる(メラトニン

2.覚醒中枢を抑制して睡眠させる(ベンゾジアゼピン、非ベンゾジアゼピン眠剤、GABA)

3.脳全体を麻酔して睡眠させる(抗ヒスタミン

4.その他:グリシン

 メラトニンを飲んでも全然眠れない、ジフェンヒドラミンなどの抗ヒスタミン系の市販睡眠薬を飲んでも同様に眠れない人は、医師に(非)ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を処方してもらうか、強い薬の依存症が怖いなら、ドラッグストアに行ってサプリメント売り場にあるGABA(ギャバ)を試してみると良いでしょう。それで眠れる人は睡眠中枢より覚醒中枢に問題があるのですから、メラトニンは必要ありません。

 なお、メラトニンは日本では認可されていないので、市販されていません。個人輸入することになります。