消費税10%の官邸vs.財務省の攻防

 大変面白い記事をWebで見つけました。週刊現代なので、それを知って読まないといけないのですが、霞が関官僚と長らく仕事をしてきた経験で言えば、且つ省益しか考えない彼らを思えば、さもあらんとは思います。


http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41191
財務省OBが言う。
「財務次官の香川俊介氏は安倍晋三総理からも菅義偉官房長官からも信用されていない。というのも、この4月に消費税を8%に増税するのをためらっていた官邸を、『増税しても景気は大丈夫だ』と財務省が説得して実現に導いた経緯があるからです。しかし、蓋を開ければ景気はどん底に落ちた。官邸は怒り心頭で、『財務省増税のために官邸を欺いた』『財務官僚の言うことだけは信じない』と恨みを買ったのです」

いま声高に増税延期反対を叫べば、官邸の気持ちを逆なでしてしまう。安倍総理増税延期に傾いているのは間違いないが、まだ決定したわけではない。財務省がその「最終判断」を後押しすることだけは避けたいし、できれば増税延期は回避したい。だから死んだふり、というわけだ。

       ・・・

「いま財務官僚たちは手分けして、ひっそりと議員会館回りをしています。『先生の選挙区には特別に予算をつけますから』と媚薬を嗅がせているのです。」(政治部デスク)

    ・・・

たとえば財務省はいま、公立小学校1年生の「35人学級」を「40人学級」にするよう提言している。喫緊の課題ではないはずなのに、あえて教育業界の反発を受けるような提言をこの機に持ち出したのは、財政危機を煽るのが本当の狙い。消費増税をしないと「40人学級」になって、教育がヤバいことになるぞと、恫喝しているのだ。

「それだけではありません。ここへきて矢継ぎ早に財務省は、生活保護費の減額、介護報酬の引き下げ、配偶者控除の廃止などを打ち出しています。いずれもこれまで庶民の生活を支えていた制度を『改悪』しようとするもので、増税しないとこんな制度も維持できなくなると脅しをかけているわけです」(前出・経済部記者)