先ほど、テレビ朝日の「林修の今でしょ」でしたか、そんな番組を見ていたところ、栄養士が上記デタラメな事を言い、林君が納得していましたが、こんな無理な論理に林君が納得するとは思えないのです。例によってディレクターのやらせでしょうか。
では、何がデタラメかを解説しましょう。白米は炭水化物が主成分です。栄養士が言うに「炭水化物は昔は含水炭素と言っていた。つまり、炭に水が付いているものである。その水が抜けるので痩せるのです」と。
食べた含水炭素の水が抜けた所で、それは食べたものの一部が尿になって出ただけのことで、そういうものを痩せたとは言わないでしょう。白米を食べると痩せるの論理になっていないのです。この番組を見て、白米は、食べて良いんだなどと思わないように。
ちなみに、炭水化物は、どのように読むのか?日本語の語構成の癖で考えれば、炭水・化物と読みそうですが、化合物としては、炭・水化物です。炭素の水化物ということですから、なんのことはない含水炭素と同じ意味です。この講師は何を言っているんでしょうね。いくらなんでも、少しでも考える頭があれば、こんな馬鹿な事を言わないと思います。意外さの受けを狙ったディレクタのでたらめ話としか思えません。ん、朝日。あの朝日新聞系なんですね。
炭水化物は、炭素と酸素と水素の化合物ですが、酸素と水素が1:2(つまり、H2O=水)で含まれているので、水が含まれているような形をしているというだけの事で、別に炭に水を混ぜたものではありません。ごはんを口の中で少し長く噛むと、唾液中のジアスターゼによって炭水化物が分解されブドウ糖(グルコース;C6 H12 O6 =[C6(H2O)6]:脳に必要な栄養素です)に変化するので、甘くなります。それが消化器官で最終的*に二酸化炭素と水に分解されるのでしょうか。そんなに簡単でもなさそうですが。この水が体外に出ても痩せたという事にはなりません。
*: 「解糖系
細胞に運ばれたグルコースと脂肪酸はそれぞれ別の経路で分解されます。なお、脳細胞は脂肪酸が細胞膜を通過できないので脂肪酸はエネルギー源として使用出来ません。細胞に運ばれたグルコースは細胞質の解糖系という経路でピルビン酸に分解されます。この過程でATPが生成されます。解糖系は酸素を必要としない(嫌気的)化学反応で原始的な単細胞生物を含めほとんど全ての生物が備えている代謝経路です。解糖系では1グルコース分子あたり2個のATPが生成されます。」
-- http://hikawa.takara-bune.net/hSeiriEnergyTaisya.html