HVはブレーキを頻繁に踏むほど良いという誤解

そのような都市伝説のような誤解が広まっていると聞いてびっくりしました。ちょっと考えれば、物理学の根本原理に反していると分かるはずですが。。。

 

車は、アクセルを踏んで燃料を燃やし、そのエネルギーで加速します。加速していなければ、慣性で定常走行するはずですが、実際にはタイヤの摩擦、空気の摩擦があり、このエネルギーロスを補うために一定の燃料を燃やし続けてエネルギーを供給しなければなりません。

 

 時速50Kmで走っていて30m先で信号が赤になればブレーキをかけざるを得ません。ブレーキシューと車輪の間で猛烈な摩擦熱が発生して、空気中に発散されます。これが、普通の摩擦によるブレーキです。機械的制動です。一方、電気的にもブレーキはかけられます。車軸に発電機をつけて、それを回してやれば良いのです。発電機が回ればエネルギーが発生しますね。電気エネルギーです。そのエネルギー分だけ車の運動エネルギーが失われます。エネルギー不滅の法則は中学で習ったのでは?運動エネルギーが失われたとは、ブレーキが掛かったということです。

 

ところで、発電された電気エネルギーは、どこに行ったのでしょう?ヘッドライトを点けても良いし、ワイパーを動かしても良いですが、晴れてる昼間には必要ないですね。だから、電池に充電するのです。つまり、機械制動では、運動エネルギー → 熱エネルギー に変換して、大気中に発散させてしまうという勿体ないことをしているのです。

 

一方で、電気制動では、運動エネルギー → 電気エネルギー に変換します。そして、充電池に蓄えるので、無駄になりません。充電された電気で発進したり、通常走行の時にもモータでエンジンをアシストするのでガソリンの消費が少なくて済むのです。運動エネルギーを電気エネルギーとして再生するブレーキングなので、回生制動と呼ばれます。別に新しい技術ではなく電車で大昔から使われていた技術です。電車の場合、充電池は要りません。同じ架線を使って走っている他の電車が使うのです。高性能の充電池、小型でパワフルなモータの登場で自動車でも実現できたのです。

 

さて、いくら回生制動と言えども、ブレーキを踏むほど良いということは無いと分かりますね。ブレーキを踏んで運動エネルギーが100%電気エネルギーに変換され、その電気エネルギーが100%充電され、その充電されたエネルギーが100%取り出され、100%運動エネルギーに変換されて、元々なのです。所が、上のどの過程でも無駄が生じます。回生制動では気持ち良くスパッと停止線で止まることはできません。どうしても機械制動が必要でブレーキをかければ、必ず摩擦熱の無駄がでます。ブレーキなどはかけない方が良いのです。無駄に頻繁にかけてもエネルギーは高効率では回生されません。信号が多い都市部では、プリウスもアクアも思うように燃費が向上しないのはこの為です。無駄なブレーキをかけなくて良いよう、無駄な加速をしない運転が最も良いのです。